マヒワ (真鶸) は冬季に越冬のために日本に飛来する冬鳥 で、マヒワ♂は全体が鮮やかな黄緑色に見え、「 鶸色 (ひわいろ) 」の由来になった野鳥です。 ヒワの漢字は、飼育しようとしてもすぐに落ちる(死ぬ)ので弱い鳥として「 鶸 」を充てたのだそうです。
11月上旬、里山の林道を歩いていると、道路の真ん中に一羽のマヒワ♀が横たわっていました。 食餌を探して2本脚で立っているなら普通ですが、腹這いになっているのは不自然な姿であり、これは尋常ではないと直ぐに判りました。
どういう理由で飛べなくなったのか 外見からは判りませんが、私めが近づいても逃げず(逃げられず)、手で触っても翼を広げて飛ぼうとする動作もみせず 体を少し震わせただけでした。
勿論、素手ではなく、つつかれたり病原菌やダニをもらわないように用心して手袋を履いて拾い上げました。
体上面の画です。 マヒワの尾羽は「 M尾 」(魚の尾っぽの形)です。(↓)
道路の中央部から道端に移してやりましたが、体下面にも外見で判るような傷はなく、血も出ていませんでした。 しかし、その目は、自分の運命を悟っているのか、どこか悲しそうでした。 (↓)
真正面顔です。(↓)
(↑)のマヒワ♀は海を超えて日本に渡って来たのでしょうから(ほぼ)成鳥だと思われます。 やっと渡って来たばかりで、体力を消耗して動けなくなった一時的な状態ならいいのですが……。
後日、同じ場所を見てみましたが、当然ながら、何の痕跡もありませんでした。
尚、巣から落ちた雛鳥にせよ、(↑)のように動けなくなった成鳥にせよ、下手に触らず拾わずそのまま自然のあるがままにしておくというのが私めの方針です。 毎年春には 日本野鳥の会が「 雛を拾わないで! 」キャンペーンを行っていますが、その理由、根拠に賛同しているからです。
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