太陽光発電が原子力や火力発電を淘汰して発電 の主流になるためには夜や天候の悪い時には発電しないなど安定しない弱点もありますがそれは画期的なバッテリーが開 発されれば解決されます。ですから問題は何と言ってもコストダウンでしょう。
それには原材料のコストダウンもありますが変換効率を如何に上げるかも重要な要素でしょう。そうした研究も進ん でいるようです。第3779回でも取上げた量子ドット型が又しても進化した ようです。
日刊工業新聞より 2011年04月25日
東京大学の荒川泰彦教授とシャープの研究グループは、次世代太陽電池として期待されている「量子ドット太陽電 池」の理論変換効率が75%に達することを明らかにした。63%が上限とされていたが、バンドギャップの間に電子の 足場となる中間バンドを複数持つ構造にすると、変換効率が上がることを理論的に見出した。
米物理学誌アプライド・フィジクス・レターズに25日発表する。量子ドット太陽電池のバンドギャップに、四つの 中間バンドを設けると太陽光スペクトルを有効に利用でき、変換効率が最大で75%になることを理論計算で算出した。
従来の理論変換効率は中間バンドが一つの構造が前提だった。今後、計算結果に基づき量子ドット太陽電池の構造の 最適化を進めて、実験的に検証する。
ECO JAPAN 2010年1月18日
注目の新技術「量子ドット太陽電池」 理 論的な変換効率は60%超
こういうのが現実のものになればエネルギー問題は一気に解決しそうです。このあたりに原発への予算を削って注ぎ 込んで量産品として実現させるというやり方は無理なのでしょうか。
そう言えば、第4072回で取上げた変換効率100%なんてのもありましたが、研究は進ん でいるのでしょうか。
今度の地震で原発の弱点がさらけだされ、その発電原価は果たしてどのくらいになるか想像もつかない状況です。今 の変換効率の悪い太陽光発電への移行を進めながらこうした新しい技術の開発に集中すれば道は開けるのじゃないでしょ うか。
日本の技術に賭けましょう!