トランプさんがどう動くかで中国の崩壊がどうなるかに、やきもきする毎日です。もし、中国が延命することになれば、日本だけでなく世界に取っても悲劇です。
その中国は、人民を幸せにしようなんて考えは全く無く、中共の存続の為の世界制覇を目指して拡大を進めているようです。
その素晴らしい動きを何時もの宮崎さんが詳しく書いてくれています。宮崎さんは、少し長い取材に行かれるということで、その所為もあるのか何時もより分量が多いようです。
宮崎正弘の国際ニュー ス・ 早読みより 平成29年(2017)6月19日(月曜日) 通算第5330号
宮崎正弘 の国際ニュース・早読み<「南シナ海」の次はインド洋から東アフリカ沿岸だ
「南シナ海」の次はインド洋から東アフリカ沿岸だ
中国の軍事野心、すでに次のフェイズに突入している
インド洋から東アフリカにかけて島嶼国家が点在している。
南インド洋に群礁を広く点在させるのがモルディブ、絶海の孤島の群れからなるセイシェルズ、そしてコモ群島、モーリシャス 等々。共通するのは天然資源に恵まれないことである。
嘗て七つの海を支配した英国が、これらの島々に旗を立てた。
その一つが米軍基地のあるディエゴ・ガルシア。米海軍の空母基地であり、ここからアフガニスタン、イラクへの出撃も行われ、 現在も中東を睨む戦略基地である。
これらの島嶼国家が生き延びるために第一の目標は観光立国である。
モルディブは、観光地として名を馳せ、日本からも新婚旅行先として意外に人気がある。しかし年間120万人の観光客のう ち、36万人が中国人である。日本人観光客は年間一万人を越えるか、越えないか。
インドの真南に位置するだけに安全保障上の危惧が広がる。
第二にカリブ海や西インド諸島などに替わってタックスヘブンとして活用されることが、島嶼国家の経済目標になった。
おなじ島嶼国家とじて大西洋から西インド諸島のケイマン、マン、ヴァージン諸島がタックスヘブンとして大いに活用されてき たが、「パナマ文書」で資金洗浄や不正送金、汚職資金の隠匿地などと暴露されて以来、世界の投資家の目が、新天地、金融ハブ の処女地としてインド洋に浮かぶ島嶼国家に向けられるようになったのだ。
距離的に列強の影響下からは遠く、したがって逆に穴場として活用される利点があるが、同時に金融の安全保障では脆弱となり がち、金融ハブが悪用されると世界全体の金融システムの安全保障を脅かしかねないリスクもある。
ダーティな拠点化としてモルディブの例があげられる。ミャンマーの闇市から流れ出した石油取引でシンガポールのダミー企業 が活用し、8億ドルの取引があったとされる。
最も怪しいのは中国である。チャイナタウンの建設はすでに知られているが、2014年に習近平が、このモルディブを訪問し ている。
一方で貧困が蔓延し、モルディブからISに走った若者がおよそ800名と見積もられている。
▲インド洋に国際政治の津波が押し寄せていた
1975年にフランスから独立したコモロは、海外の悪徳商社らと結びついてのクーデター事件がすでに20回以上も発生して いる。
モーリシャス諸島はかつて「インド洋の真珠」といわれたが、いまでは首都のポート・ルイスに高層ビルが建ち並び、豪華マン ション、別荘も建って、外国からの投資が目立つようになった。
最初に上陸したのはポルトガル、ついでオランド、フランスと宗主国がうつり、最後は英国が支配した。この諸島のひとつが米軍 に貸与しているディエゴ・ガルシアである。つまりインド洋を扼する戦略的要衝である。
めざとい中国が、このモーリシャス諸島に目を付けた。
すでに40のプロジェクトを展開し、海水浴などで賑わうリゾート地には中国人の観光客が目立つようになった。空港の新ター ミナル建設では資金を中国が融資した。
ほかにも7億ドルを投資して特別輸出工業区をつくると豪語しているそうな。
セイシェルズ諸島はフレデリック・フォーサイスが『戦争の犬』のモデルにしたように、クーデターが繰り返された。2004 年に旧ソ連寄りの政権が崩壊して以後は観光立国に路線を切り替えてきたので、ここもまた新婚旅行のメッカとなった。
ところがセイシェルズ諸島のタックスヘブンとして悪用してきたのがカザフ政府の幹部の不正資金隠匿、ナイジェリアの汚職資 金が流れ込み、欧米の監視が始まる。
中国がしゃしゃりでた。
2007年に胡錦涛がセイシェルズを公式訪問し、いきなり40の貿易経済協力協定を締結し、2011年には梁光烈国防相が 500名の軍人を率いて訪問し、中国の軍事基地建設の話し合いに入った。
米国、英国、そしてインドが、この中国の軍事的野心に神経をとがらせる。
ミャンマーも中国に反発しだしたようです。
宮崎正弘の国際ニュース・ 早読みより 平成29年(2017)6月20日(火曜日) 通算第5331号
宮崎正弘 の国際ニュース・早読み <もう一つの「一帯一路」の目玉=ミャンマーでも、もたつきが目立ち始めた
もう一つの「一帯一路」の目玉=ミャンマーでも、もたつきが目立ち始めた
クンサ(麻薬王)も国民党残党も消滅したが、カチン、シャン、ワ族が武装を捨てず
パキスタンのCPECプロジェクト(グアダール港から新彊ウィグルまでガス、石油のパイプライン、ハイウエイ、鉄道、光 ファイバーを繋ぐ回廊)がシルクロート(一帯一路)の目玉プロジェクトであるとすれば、ミャンマーへのテコ入れも、もう一つ の習近平の目玉だ。
ミャンマー沖合の海底油田からガスと石油の770キロのパイプラインはミャンマーを縦断して、すでに繋がっている。
中国の「戦略的友好国」であり、隣国であるパキスタンとミャンマーは、しかしながら中国の工業心臓部からはあまりにも遠い。 マラッカ海峡を経由しないオールタナティブとしてのルート確保が中国の戦略的目標であることは言うまでもない。
パキスタンの一帯一路関連プロジェクトの総額は55億ドル。「そんな巨額を投じる価値があるのか?」と議論が中国国内でも急 拡大している。
最大の理由は先週、誘拐されていた中国人教師ふたりがISによって殺害されたからで、中国のSNSでは「ISに補償金を要求 せよ。ISとの戦争も辞せず」などの書き込みが散見される。
パキスタン重視は以前からで、6月17日からはホルムズ海峡近辺で、中国海軍がイラン海軍との共同軍事訓練を開始した。中国 海軍は駆逐艦弐隻と補給艦、いずれもパキスタンのカラチ港から出航し、イラン側は駆逐艦に700名の軍人が乗っているという (サウスチャイナ・モーニングポスト、6月19日)。
中国の歴史学の御用学者がいうには紀元前三世紀の秦の始皇帝時代から「南のシルクロード」は南アジア諸国と繋がっていたと 言い張る。ちょっと待った。紀元前三世紀に雲南省も四川省も漢族とは無縁の国家であり、当時は氏、キョウ、月氏、鎮(さんず い)などの豪族が統治していた。ミャンマーもパキスタンも別の国だった。
2204キロのおよぶミャンマーの国境地帯は、嘗てビルマ共産党が支配していて、税金を勝手に住民から徴収し、中央政府の 統治は及ばない地区だった。
このビルマ共産党を支援していたのが中国、しかも一帯の麻薬地帯はクンサが支配し、国民党残党がいた。ややこしく輻輳して いた。
このため国境貿易が可能だったのは北のシャン族支配区だけだったのである。
歳月が流れ、ビルマ共産党も国民党残党も高齢化、組織はほぼ消滅した。前者は四つに分裂したが、いまも武力を誇るのはワ族 の武装ゲリラだけである。
ワ族は独自の武装組織を堅持している。
しかし西側の制裁にあって鎖国を強いられ国際的に孤立していたミャンマーを支援し、武器を供給していたのは中国で、この間 に14億ドルの武器をあたえ、他方では秘密裏にワ族武装組織も支援していた。
親中路線いがいの選択肢はなく、ミャンマー政府はアンダマン海の島嶼の大島(グレート・ココ)に軍のレーダー基地を設けた が、これも全面的な中国の支援だった。
インドは、これを脅威として国際世論に訴えたが、中国の監視所という裏の役割をミャンマー政府は否定した。
インドが中国の一帯一路に極めつきに冷淡な理由はこのあたりにある。
▲中国一辺倒の政治経済状況は激変した
さらに時代は移り、ミャンマーの親中派だったキン・ニュン政権が2004年に汚職容疑で失脚した後、親中派路線を修正し、 中国と距離を取り始めた。ティン・セイン前政権は、中国が支援した水力発電所の工事を中断した。
「イラワジ河は中国のものではない」とする抗議デモが公然とヤンゴンやマンダレーで行われるようになる。
メディアにも中国批判が掲載されるようになり、華僑と中国資本が支配する第二の都市マンダレーでも反中感情の高まりが見られ るようになった。
マンダレーは嘗てビルマの首都、王宮が残り、翡翠、色石、タベストリーの産地として世界的に有名である。だが、流通、貿易、 金融を握るのは華僑ならびに中国からの移民の商人である(四年ほど前、宿泊したマンダレーのホテルで朝から飲んでいたのは中 国人ビジネスマンだったことを思い出した)。
ヤンゴンのチャイナタウンも活況はからわず、華字紙も発行されるなど言論の自由が守られるようになり、自由選挙を実施する や、アウンサンスーチが「大統領より偉い」政治ポジションを得た。
このスーチーを支持しているのは都会のビルマ族が中心で、地方ならびに少数民族地区へ行くとスーチーは嫌われている。
オバマ政権でミャンマー政策が緩和され、政策がグローバルに傾くと、どっと西側資本がミャンマーに投入され始めた。日本は 工業団地をヤンゴン郊外に造成し、市内には高層ビルも建設し、台湾やインドも参入してきた。カチンもシャンもカレンも、山を 下りてきた。
中国はこれではまずいとばかりにミャンマーの政治家、ジャーナリストに北京への招待旅行攻勢をかける。一方で、武装を解か ないワ族ゲリラへの密かな武器支援は中止せず、二枚舌を続けている。
西側がミャンマー政府を非難するロヒンジャ弾圧に対して、事実上、スーチー政権は解決策も見いだせない無能ぶりを見せた。 スーチーは親中路線に転換した様子がうかがえる。
したがって、ミャンマーの少数民族弾圧非難決議が国連に上程されると、反対に回るのが中国という構図になっている。
恩を売りつけ、反中感情を抑え込むことに躍起なのである。
▲あの親中国家ラオスでも中国人殺人事件が続発している
2017年6月16日、ラオスにある中国大使館は在留中国人に「身の安全を確保し、身辺に気を配れ」と警告を発した。これ はラオスのサイソンブーン県で、中国人が何者かに銃殺されたからである。
問い合わせに対して大使館は具体的な情報をだしていない。
サイソンブーン県はラオスの首都ビエンチャンから北東へ100キロほど。モン族など少数民族が暮らす地帯で、嘗ては付近に 米軍が空爆に利用した基地があった。いまは大きな公園になっている。
2016年1月には中国人が開発する鉱山付近で二人の中国人が爆殺され、同年3月にはルアンパパン県で一人が殺害され、7 人の中国人が負傷するテロ事件も起きた。
このように一帯一路の先々で中国人は「歓迎」されていないのである。
それにしても、こんな国を欲にまみれて延命させようとする国や企業には、どうあっても、その考えを改めてもらって、世界平和の為に一致して中国崩壊へ行動してもらいたいものです。
その為には、大きな損失もあるでしょうが、延命させて致命傷を受ける前に決断すべきです。
好い加減に目を覚ませ!