台湾で面白いことが起きているようです。何と国民党がジミー・ライにノーベル平和賞と言いだしたそうです。
一体、何の思惑があるのでしょうか。それとも心を入れ替えたのか。
宮崎さんが詳しく書いてくれています。やはり、何らかの思惑があるようです。国民党が本当にChinaを見限って独立に賛成してくれるのは何時のことでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)2月13日(土曜日) 通巻第6796号 <前日発行>
えっ、国民党が「ジミー・ライにノーベル平和賞を!」と呼びかけ
暴れん坊の趙少康、国民党主席に挑戦がてら唐突に提案
香港民主化運動のイコン、黎智英(ジミー・ライ=リンゴ日報の創刊者)は香港警察に拘束されたままの状態が続いている。日 本を除く西側世界からは釈放の要求が出ている。
真っ正面から習近平の独裁と暴力政治に言論の戦いを挑み、共産党を敵に廻しての獅子奮迅ぶりは、多くの人々を勇気づけた。
バイデン大統領は、2月11日にようやく習近平と電話会談を行い、南シナ海、香港、そしてウィグル問題に「強い懸念」を表 明した。具体的にジミーの名を出さなかったが、香港の民主政治の破壊を憂慮したことを示唆した。
ポンペオ前国務長官がウィグルにおける少数民族弾圧を「ジェノサイド」と非難し、ブリンケン新国務長官も、この路線を継続す るとしている。
さて台湾のことである。
趙少康という前立法委員がいる。国民党にあって馬英九らとも一時徒党を組んだが、中華思想の持ち主のため、党を割って「新 党」を結成し、中華統一を鮮明にしなくなった国民党を飛び出したこともあった。
台北選挙区から立法委員に立候補したときは空前の24万票をあつめ、一期務めたが、94年の台北市長選挙で陳水篇に敗れ、そ の後は「政治コメンティター」として、ラジオ、テレビで活躍していた。
70歳になって、何かに目ざめたのか、突如、次期国民党主席に立候補を表明し、国民党首脳を慌てさせた。国民党は2020 年1月の総統選挙で大敗を喫し、呉敦義主席は引責辞任し、改革派の江啓臣と代わったばかりだった。対立候補は国民党守旧派の サラブレット赫龍武だった。江 68% vs 赫 32%だった。守旧派の惨敗だった。
しかも江執行部は中台合意を重視せず、台湾として国連復帰を求めるとする独立色を滲ませた路線に転換した。
守旧派の二世が中心だった「新党」は消えてなくなり、嘗て国民党秘書長だった有力者の宋楚諭が率いた「親民党」も議席を失 い、かわって台湾政界には若者たちの「時代力量」などが勢力を増やしてきた。
こうした時代の変化は国民党の存在理由も変化に追い込んだ。
▲中華思想を鼓吹してきた政治家が?
趙少康はパフォーマンスとして政治演出を狙ったのだろう。
次期国民党主席に立候補すると言いだしつつ、ノーベル平和賞にジミー・ライと、香港民主党創設者の李柱銘は受賞資格が十分 にあり、また中国の平和に対する誠意をしめす意味でも、この二人にノーベル賞を付与する運動を始めるなどとした。
趙少康は台湾言論界にあっても、目立つだけで孤立しており、その彼が先にノーベル賞に民主活動家をなど言い始めたことは、 一見して中国共産党への挑戦ともうけとられるのだが、背後に何か企みがあってのこと、本心からの訴えとは考えにくいのも、過 去の言動から判断できる。
やはり、言いだしたのが胡散臭いおじさんのようです。一瞬期待させられましたが、やはりそんな甘いことはなさそうです。
もし、本気で改心したのなら良いのですが、やはりなさそうですね。