香港の民主派が弾圧されている影響か殆どネットでも取り上げられることが少なくなっているようで最近の状況がどうなっているのか良く分かりません。
と思っていたら、宮崎さんが詳しく報告してくれています。やはり完全に沈滞しているようです。と言うか、それが当然でしょう。
中共が崩壊しない限り香港が元に戻ることはないのでしょう。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)2月18日(木曜日) 通巻第6803号
香港は混沌、混乱。廃墟寸前の巷? 景気はドン底の様相
ジミー・ライ保釈却下、アント上場延期、免税天国はシャッター通りに
香港の最高裁にあたる終審法院は2月9日、香港国家安全維持法違反で起訴された香港民主化運動のイコン、黎智英(ジ ミー・ ライ)の保釈申請を却下した。
保釈を認めた高等法院(高裁)の決定は間違いだったと結論付けた。
バイデンは習近平との電話会談で、ウイグルのジェノサイドならびに香港の弾圧に言及したが、中国は内政問題としており、 また WHOの武漢視察についても機密書類もラボの視察も拒否した。
「原因は特定できなかった」というWHOの報告には冷笑がおきた。
香港でもっとも人気のある新聞『蘋果日報(アップルデイリー)』の創業者の黎智英(ジミー・ライ)は、習近平政権ばかり か歴 代中国共産党を厳しく批判してきた。「李鵬(元首相)のIQは亀の卵」と痛快な言辞を吐いたこともあり、2019年の訪米時 には、ペンス副大統領とポンペオ国務長官が面会に応じたほどの大物である。
習は、この人物を眼の上のたんこぶとして徹底的に弾圧することを決め、香港政庁に逮捕を命じた。最初は詐欺容疑の別件逮 捕、 そして「外国勢力と結託して国家安全保障を脅かした」と国安法を持ち出して訴追した。
この起訴は昨師走(2020年12月)11日だったが、同月いったん保釈されて、また再収監された。香港警察が再逮捕し たの だ。
昨年11月に予定されていたアリババの金融子会社「アント」の香港と上海株式市場へのIPO(新規株式公開)は上場予 定日 の三日前に突如見送られた。その後、アリババの馬雲(ジャック・マー)は公の場には現れず、姿を消したままとなって、謎を深 めている。
習近平が「アント」の上場を見送らせたのは、アントがすでに中国国有銀行を脅かす存在であるばかりか、政府が進めるデ ジタ ル人民元の普及に障害となるおそれがあり、経済の支配力を失いかねない不安からだった、と多くが分析した。
▲アント上場延期の背後にある闇が浮かんだ
ウォールストリートジャーナルは2月17日、「アント上場延期の本当の理由は別にある。株式購入予定の多くが、じつは 中国 共産党幹部であり(家族名義やその他)、しかもタックスヘブン経由で「外国ファンド」を装っていた実態が判明したと報道し た。
そのうえ投資予定者の名簿も確保した模様で、誰々がアント株を購入しようとしていたかが判明したという。
じつは江沢民派、あるいは反習近平派が殆どであったため、「習近平は激怒して延期を決定した」と米国経済紙が報じた。
もともとアントの筆頭株主は江沢民の息子であり、また香港の金融、不動産。とくに証券ビジネスの利権は江沢民派が握っ てい た。
さて、その香港での異変が末端ビジネスに及んできた。
そもそも香港の経済は不動産、金融、そして観光の三代産業で成り立ってきたのであり、國際金融都市としての機能は、資 金洗 浄やドル調達の機会であり、むしろ中国共産党がさんざん活用してきたのだ。
その香港の不動産、住宅投資は続くか商業地や一等地のビルは空室が目立っている。
観光も、日本同様にインバウンド、ホテル、レストランは最悪に近いが、世界のブランド品通りと言われたチムサーチョイ 東地 区で(ブランドショップが犇めきあって、中国からの旅行者がめちゃめちゃに買い物をしていた)、売り上げ48%減、多くが店 を閉め、シャッター通りとなった。
従業員は解雇され、在庫を半額セールで売りさばいても香港人は見向きもしないから売れないという悲惨は風景が展開されて いる (サウスチャイナモーニングポスト、2月16日)。
何と、江沢民一派がまだ蠢いているんですね。香港の投資の大半が Chineseというのも驚きと言うか当然でしょう。海外から投資する奴等がいることが信じられませんでしたが、やはり仲間内の動きだったようです。
それにしても、江沢民もしぶといですね。やはり悪党は長生きするのでしょうか。