半導体業界は何とも恐ろしい世界のようです。きっと頭が良すぎて国家冠や愛国心なんてものは持ち合わせてないのかもしれません。
宮崎さんが取り上げてくれています。半導体業界ではこんなことが常識なのでしょうか。道理であの業界の企業に売国企業が多いはずです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和五年(2023)9月16日(土曜日) 通巻第7913号
台湾TSMCから中国へ渡り、ハイテクプロジェクトを成功に導いた
「中国半導体の魔術師」たちは台湾から言えば「裏切り者」(叛将)だ
台湾の裏切り者があと二人いる。と言うより中国と台湾の関係はそれほどグジャグジャなのだ。
梁孟松「中国半導体の魔術師」と『ウォールストリートジャーナル』が比喩したが、台湾では「裏切り者」。中国では「救世主」。SMICの5G半導体を成功に導いたのは彼だった。
この梁孟松は台湾生まれ,国立成功大学電機工程学系で修士号。カリフォルニア大学バークレー校で電子工程博士号を取得した。その後、梁孟松は米国 AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)を経て,TSMCのシニアR&D長,台湾・清華大学電機系教授,韓国・成均館大学訪問教授を経て韓国 のサムスン副社長,ついでSMIC(中芯国際集成電路製造)共同首席CEO兼執行理事を歴任した。渡り鳥の典型である。
サムスンがTSMCに猛追できたのは梁の活躍だったとされる。そのあと、梁孟松は台湾のTSMCに移籍する。TSMCで居場所のなかった梁は次に中国へ渡った。
2017年、梁はSMICの14ナノ半導体製造を成功させ、中国の英雄となった。翻って台湾ではTSMCを裏切ったことになり、「叛将のひとり」に数えられている。
もうひとり、高啓全も台湾生まれ、「DRAMのゴットファザー」といわれる。台湾大學化学工業系を卒業し,ノースカロライナ州立大学で修士号。最初は「フェアチャイルド」、ついでインテルに移籍し、1987年にTSMCに転職した。
2015年,高啓全は中国へ渡り、紫光集団の副総裁。ところが翌年退職した。そのあとを襲ったのが日本人の坂本幸雄(エルピーダメモリからマイクロン・ジャパン社長)である。
しかし紫光集団は倒産した。
何だか半導体業界が世界を破壊するのかも。頭が良すぎるのも問題があるのかも。
やはり正しい国家観や歴史観は頭の良い人達にこそ必要なのかも。