20日㈪11時から、自民党総裁選の候補者である岸田文雄前政調会長とのオンライン懇談会に参加した。岸田候補の推薦人となっている二ノ湯智参議院議員、本田太郎衆議院議員からの呼びかけで行われた。
質問の時間もなかったので聴いているだけだったが、激しさよりも安定を求めるなら岸田さんなんだろうなと思った。
■岸田、河野が軸で、高市猛追
総裁選は、報道通り、岸田さんと河野さんが軸で、それに高市さんが猛追しているという情勢だろう。安倍前総理はじめ、高市さんの支持者は「今回は3位でも、一定の存在感を残せば、(安倍さんの?)影響力が残せる」との考えで激しく追い上げており、勢いを感じる。(ネット上では特に)
■岸田さん勝利のためには…
岸田さんが党員票で伸び悩むと、党員票で1位河野、2位高市、3位岸田となるかもしれない。そうなると議員票を合わせて、河野さんと岸田さんの決選投票になっても、党員票3位の岸田さんを1位にすることには悩む議員も出てくるのではないかと思う。
高市さんに流れている党員票は「河野だけはイヤだ」という票も結構あるように感じるので、「党員票を高市さんが取りすぎて、仮に岸田さんと2位3位がひっくり返ってしまったら、河野さんが勝ちますよ」という情勢分析を流し、地方党員の「安定志向」をどう掻き立てていくのかが、岸田さん勝利に向けたカギだと思う。
■野田効果と老獪な二階さん
総裁選の論戦に入って、河野支持が盛り返してきている。それは河野さんの力というよりも野田さんの「結果として援護射撃」によるものだと思う。
河野、岸田、高市の三人だと、(左)河野、(中)岸田、(右)高市と色分けされ、真ん中の岸田さんに支持が集まる。しかし、そこに野田さんが参戦し、四人の構図になった。両翼に二人の女性が構え、真ん中にやや左寄りの河野、右寄りでもない無色の岸田という立ち位置になった。それによって、河野さんの過激さが弱まり、岸田さんの影が薄くなった。
野田さんはズバズバ言いたいことを言い、翻っては弱者の立場にも立つ。高市さんの「唯一の女性」も消すことになった。
決選投票になると、四陣営に分かれた「二階派」がどこかに固まる。固まったところが勝つ。結局、最後のキャスティングボードは老獪な二階さんが握っているのが、今回の総裁選であるとは思う。
■第100代は「勝利者」ではないかもしれない
第100代の総理大臣は、総選挙後の首班指名で第101代に代わると思うので、わずか1ヵ月程度の総理大臣となるだろう。
今回の総裁選候補者は101代、もしくは102代を目指しての筋の通った持論を展開した人が結局は「勝利者」となるのだと思う。
■フルスペックの党員投票を常の原則に
党員の投票なのに、皆さん、国民に向けての訴えばかりで、党改革への訴えが少ない。岸田さんの政策集には「党役員の任期は1期1年・連続3年までとする」と書かれているが、この点への言及は今日も全くなかった。
今回のようにフルスペックの党員投票で総裁を決めることを常の原則にすれば、党員の参加意識は高まるし、党員の拡大にも役立つ。
衆参議員の候補者選びでも党員投票を使うべきだと思う。透明性のある選び方をしないことが「本音が言えない」議員を増やして、政党幹部と民意の距離を離れさせている。
党改革や公認候補者の選定方法についての議論もしてほしいと思う。