自民党総裁選は、岸田文雄前政調会長、河野太郎ワクチン担当大臣、高市早苗前総務大臣が立候補をほぼ表明し、石破茂元幹事長、野田聖子元総務会長らが立候補を模索している。
総選挙を控え、選挙の当落に危機感を持った若手が「菅首相では落ちる」と動き、本命であった菅首相は出馬辞退に追い込まれての総裁選であり混戦模様だ。
■直感は「次は河野さんかな」
菅首相辞任と聞いて、直感的に「次は河野さんかな」と思った。
それは小泉首相の登場を思い出したからだ。
小泉氏、河野氏は国会議員三世、群れない、自民党で受け入れられにくい持論(郵政民営化と脱原発)がある、神奈川県選出、慶応大学(河野氏は中退)など様々な共通点がある。
小泉首相は森喜朗首相の後継で、低迷していた政権への支持率を一気に回復させた。
総裁選レースをぶっちぎった「小泉旋風」には、田中真紀子氏というパートナーの存在があった。真紀子氏は田中角栄首相の娘で、政局観や国民の気持ちをつかむのには長けていた。
あえて今回は石破氏は立候補せずに、そのパートーナーの役割を果たせば、国民や党員の高い支持で河野氏が勝つのではないかと感じる。石破派には河野氏を支持している若手もいる。
自民党が総選挙に勝つためには、派閥均衡人事をいっさい止め、小泉首相がやったような「一本釣り」で清新さを出す必要があるが、岸田氏ではそれができない。一瞬、岸田氏の支持が上がったのは二階幹事長を批判したからだが、自ら派閥の領袖であり、麻生氏、安倍氏や派閥を無視することはできない。
高市氏は能力が高いとは思うが、政治思想が偏っていて、総理大臣には向いていないと思う。
■直接会った印象は…
岸田氏、石破氏、野田氏には自民党綾部支部の主催行事にゲストとしてお越しいただいたことがある。
直接会って話した印象は、石破さんが一番だ。国会議員には不人気だと言われるが、偉い人にヘコヘコしないからだろう。分け隔てなくズバズバ物を言われるが、我々がスバズバ言っても嫌な顔をせずに議論を楽しまれるという懐の深さがある。
河野さんは5年前に自民党京都府連青年局の青年政治大学の講師としてお越しいただき、持論の脱原発の話をされた。説得力があった。話を聴いて「原発には未来がない」と感じた。
河野さんは講演後、受講生との茶話会にも残ってくださった。とっつきにくい印象はたしかにあったが、缶コーヒーを飲みながら若者たちと話をしていただいた。
■元首相や派閥の領袖から「独立」できる新総裁に
今回の新総裁選びのポイントは、元首相や派閥の領袖達に左右されずに「国家国民のため」の政策を貫く覚悟があるかどうかだと思う。そういう意味では麻生財務大臣に突き放された河野さんが一番、新総裁にふさわしいのではないかと思っている。