現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

職人技(芸)

2008-06-03 11:27:00 | 筝尺八演奏家
堀井小二郎師のラジオ放送の録音に何度か
立ちあったことがある。それはそれは厳しい、
妥協を許さぬ世界だった。みな完璧な演奏、
超人的な名人芸だ。しかし何回か録音する。
放送時間の関係で、きりのいい所でタイムを
はかり、それぞれをつなぎ合わせて所定の
時間に合わせるのだ。
当時は、4トラックのオープンリール。オペレー
ターが、キュキュキュとテープを手で動かし、
鋏で切って、素早くテープでつないでいく。
見事な早業で、再生すると、つないだことが
判らぬくらい上手に流れていく。名人芸、職人
技の域だった。

昨年、「どまんなか祭り」に参加する東邦ガスの
チームの曲に、8小説ばかり尺八を入れる仕事が
あった。すべてパソコンである。パソコンで作ら
れた楽譜、音に合わせて尺八を吹く。至難の技だ。
何回か挑戦しても完璧にはできない。それでもOK。
それからパソコンで微調整にはいる。ずれた所を
全部画面上でカーソルを使って動かしていくのだ。
その作業に2時間もかかっていた。パソコンの
おかげで完璧な演奏となったが、私にはしっくり
こない。

堀井小二朗の嘆き。
私はかねがね「コンピュータのように、ピッチも
リズムも正確に吹ける尺八家が出てこないと、尺八
は滅びる」と言っていたんですがね。出てきちゃった
んですよ、コンピュータ尺八が。でも出てきてみれば、
あんなもん芸術じゃない。コンピュータには人間の魂
が無かったんですよ」と。

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障害者のバンド

2008-06-03 07:42:09 | 社会問題
「障害者のバンド」で検索すると、全国で
プロ活動しているグループもいくつかある。

私の娘も、高校生の時、障害者支援のボラン
ティア活動をしていて、コンサートを開くと
いうので行ったことがある。

1,000人以上はいる世田谷公会堂のホールは
満席。区長はじめ、教育委員会のお歴々まで
来場。いざコンサートがはじまると、すごい
熱気。ドラムスは全聾、全盲の少年。後ろに
健常者がついて、その子の足を叩いて、合図
している。ピアノもボーカルも全盲。知的障害
のある子も。それでプロ顔負けの見事な演奏
なのだ。もちろん全員暗譜。目が見える連中が
楽譜みながら演奏するのとはワケが違う。
客席もものすごい熱気。観客席にも障害者。
全聾、全盲の子は風船を手にしている。その
風船の動きで熱気を感じるのだという。場面
場面で楽しそうに微笑む姿にも感動。

娘はステージ横で、大きく体を動かし、手話で
歌詞を表現している。目からも歌の意味がよく
伝わる。娘のイキイキした姿を初めて知った。

ロックだかポップだか、うるさいだけで苦手な
私だが、とにかく感動した。それにくらべ、
毎年、その会場で行なわれる「三曲連盟の大会」
は1,000席の客席に観客50名という情けなさ。
邦楽はもう家族からも見放されている。

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アツ・キヨ

2008-06-03 07:08:18 | Weblog
ギター&ボーカルのアツシと全聾のキヨ、二人の
ユニット『アツキヨ』。ラジオで聞いて驚いた。

キヨは生まれつき全く耳が聞こえない。松田聖子を
見て「自分も歌姫になりたい」の一心で、路上ライブ
をしていた男性に頼み込み、初めは彼が歌うのに合わ
せて体と手話で歌の世界を表現していた。それが7年
もの努力の末、なんと彼女が歌えるまでになったという。

歌えるまでには並大抵ではない苦労と努力があった。
「夢をあきらめない、頑張れば必ず奇跡が起きる」
障害を持つ人だけでなく、多くの悩める人に希望と
感動を与える二人に、拍手が止まない。

「頑張らない生き方」が人気の昨今だが、その対極に
「頑張れば何事も成就する」ということを証明して
くれた二人だ。

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