名古屋市北区大杉町界隈を歩いていて、「首塚
慰霊社」という幟が何本も立てられているのを
見つけた。
以前何かで読んだ。江戸時代、一人の虚無僧が現われ、
ある武家の家の門前で尺八を吹いていると、中から
「いね!」と声がした。「入れ」と聞いた虚無僧は、
門の中に入ると、侍が「無礼者!」と一刀のもとに
天蓋ごと首を切り落とした。侍は「去(い)ね」(行け)
と言ったのを、虚無僧は「入れ」と聞き間違えたのだ。
後でそう後悔した侍は、その首を埋めて供養したと。
「それか!?」と、近づいてみれば、10坪ばかりの
敷地に、屋根付きの囲いがあり、その中に社があった。
由来は何も記されてなかったが、虚無僧を祀った社で
あれば、と『虚鈴』『手向け』を吹く。出てきてみると、
三人の奥様方が立ち話しをしながら私の方を見ていた。
「誰か練習でもしているのかと思ったら、上手なんで、
これは違うと思った」と、お隣りに住む方だった。
いろいろ教えてくれた。
「ここは昔、尾張藩家老の竹腰家の屋敷があった所で、
幕府の隠密を切ったので、その供養のために建てた
とか。また虚無僧が来て、その虚無僧が大金を持って
いたので、それを奪うために殺したとか。親から代々
伝え聞いている」と。「虚無僧が大金?」とは、異な
話で面白い。幕府隠密の虚無僧なら大金を持っていた
かも。
実は、数メートル西の道路の真ん中にあったのだが、
道路を造るために、脇に寄せられた。その時、塚を
堀り崩したが、何も出てこなかった。
現在、所有者は別に住んでいて、時折来ては清掃し、
毎月24日には供養している。祥月命日は12月24日。
200年経っても、こうして手厚く供養されている虚無僧
は他にはいない。自分はどうだろう。無理無理。
そういえば、中日新聞の夕刊に連載されていた『夢の
あと』に、幕府隠密の虚無僧が尾張藩家老宅に忍び
こんで殺される話があった。作家は、ここの伝説を
知って取り入れたのか。作家の探究心と、そこから
想像をふくらます能力には感心する。
「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。
「一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

慰霊社」という幟が何本も立てられているのを
見つけた。
以前何かで読んだ。江戸時代、一人の虚無僧が現われ、
ある武家の家の門前で尺八を吹いていると、中から
「いね!」と声がした。「入れ」と聞いた虚無僧は、
門の中に入ると、侍が「無礼者!」と一刀のもとに
天蓋ごと首を切り落とした。侍は「去(い)ね」(行け)
と言ったのを、虚無僧は「入れ」と聞き間違えたのだ。
後でそう後悔した侍は、その首を埋めて供養したと。
「それか!?」と、近づいてみれば、10坪ばかりの
敷地に、屋根付きの囲いがあり、その中に社があった。
由来は何も記されてなかったが、虚無僧を祀った社で
あれば、と『虚鈴』『手向け』を吹く。出てきてみると、
三人の奥様方が立ち話しをしながら私の方を見ていた。
「誰か練習でもしているのかと思ったら、上手なんで、
これは違うと思った」と、お隣りに住む方だった。
いろいろ教えてくれた。
「ここは昔、尾張藩家老の竹腰家の屋敷があった所で、
幕府の隠密を切ったので、その供養のために建てた
とか。また虚無僧が来て、その虚無僧が大金を持って
いたので、それを奪うために殺したとか。親から代々
伝え聞いている」と。「虚無僧が大金?」とは、異な
話で面白い。幕府隠密の虚無僧なら大金を持っていた
かも。
実は、数メートル西の道路の真ん中にあったのだが、
道路を造るために、脇に寄せられた。その時、塚を
堀り崩したが、何も出てこなかった。
現在、所有者は別に住んでいて、時折来ては清掃し、
毎月24日には供養している。祥月命日は12月24日。
200年経っても、こうして手厚く供養されている虚無僧
は他にはいない。自分はどうだろう。無理無理。
そういえば、中日新聞の夕刊に連載されていた『夢の
あと』に、幕府隠密の虚無僧が尾張藩家老宅に忍び
こんで殺される話があった。作家は、ここの伝説を
知って取り入れたのか。作家の探究心と、そこから
想像をふくらます能力には感心する。
「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。
「一休と虚無僧」で別にブログを開いています。
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