2002年に放映された『壬生義士伝』、You-Tubで全巻見る。
南部藩の下級武士で、困窮生活から妻子(の生活)を守る
ために、脱藩して新撰組隊士となり、銭のために命を懸けて
働いたという吉村貫一郎の話だ。
中井貴一で映画化されているが、テレビの渡辺謙の方が
全然いい。TVの再放送も見ており、ビデオにも撮って、
もう何回も見ている。何回見ても泣ける。
泣けるのは、むしろ貫一郎が死んだ後の話。上役の大野
次郎左衛門(内藤剛志)と、貫一郎の息子の生き様にだ。
さんざん泣かされた。ところがところがである。調べてみたら、
南部藩に大野次郎左衛門という人物はいなかった。戊辰戦争の
責任を負って死罪となったのは家老の楢山佐渡だ。
今まで新撰組の本を数多く読んでいるが、「吉村貫一朗」なる
人物は聞いたことがない。副題には「新撰組で一番強かった男」と
ある。「浅田次郎が丹念に調べて書いた初めての時代物小説」
とも書かれている。
ネットで検索して判った。吉村貫一郎(本名は嘉村権太郎)は
いることはいるが、斬り合いの場面にはほとんど登場して
いない。むしろ交渉ごとに重用されていたようだ。鳥羽伏見で
戦死している。が妻子はいない。
すべては浅田次郎の創作だった。いや、その前に子母澤寛が
創作して、それを元に浅田次郎が小説にしたとのこと。
数多く書かれている新撰組を、「忠、義に殉じた“誠”」から
「家族愛」に視点を移したのが現代的テーマでうけた。
そうした視点で創作する作家の想像力のたくましさには脱帽。
私はどうしても歴史家としての実証にこだわってしまう。
新撰組自体虚構なのだ。でも、虚構の中に真実がある。それを
作家は創作する。史家はその虚構を暴くか。「事実を暴いて
何になる」。これもドラマの中で語られていた。
「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。
私のメールは goo3360_february@mail.goo.ne.jp
南部藩の下級武士で、困窮生活から妻子(の生活)を守る
ために、脱藩して新撰組隊士となり、銭のために命を懸けて
働いたという吉村貫一郎の話だ。
中井貴一で映画化されているが、テレビの渡辺謙の方が
全然いい。TVの再放送も見ており、ビデオにも撮って、
もう何回も見ている。何回見ても泣ける。
泣けるのは、むしろ貫一郎が死んだ後の話。上役の大野
次郎左衛門(内藤剛志)と、貫一郎の息子の生き様にだ。
さんざん泣かされた。ところがところがである。調べてみたら、
南部藩に大野次郎左衛門という人物はいなかった。戊辰戦争の
責任を負って死罪となったのは家老の楢山佐渡だ。
今まで新撰組の本を数多く読んでいるが、「吉村貫一朗」なる
人物は聞いたことがない。副題には「新撰組で一番強かった男」と
ある。「浅田次郎が丹念に調べて書いた初めての時代物小説」
とも書かれている。
ネットで検索して判った。吉村貫一郎(本名は嘉村権太郎)は
いることはいるが、斬り合いの場面にはほとんど登場して
いない。むしろ交渉ごとに重用されていたようだ。鳥羽伏見で
戦死している。が妻子はいない。
すべては浅田次郎の創作だった。いや、その前に子母澤寛が
創作して、それを元に浅田次郎が小説にしたとのこと。
数多く書かれている新撰組を、「忠、義に殉じた“誠”」から
「家族愛」に視点を移したのが現代的テーマでうけた。
そうした視点で創作する作家の想像力のたくましさには脱帽。
私はどうしても歴史家としての実証にこだわってしまう。
新撰組自体虚構なのだ。でも、虚構の中に真実がある。それを
作家は創作する。史家はその虚構を暴くか。「事実を暴いて
何になる」。これもドラマの中で語られていた。
「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。
私のメールは goo3360_february@mail.goo.ne.jp