現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

藤原道山のコンサートに行ってきました

2011-12-06 15:25:31 | 虚無僧日記
12/5 「藤原道山」のコンサートに行ってきました。
チケット当日6,000円。ほぼ満席。開演5分前ぎりぎりに
間に合ったのに、なぜか 前から8列のど真ん中の席が
空いていて、まっ正面から観れた。すごいラッキー。

若い女性が大半。40代 50代のご婦人も。今秋 観に
行った他の尺八の会では、私が最年少クラスだったが、
ここでは最年長のようだ。

「藤原道山」が登場すると、すごい拍手。そして尺八の
演奏が始まると、シ~ンと水を打ったよう。だれも
見動きひとつしない。もちろん咳ばらいもない。先日
の会ではゴホンゴホンうるさかった。えらい違い。
演奏が終わっても しばらく沈黙。余韻にひたって、
「道山」が尺八を口元から下げ、ニコリと微笑むと、
観客は我に返っての すごい拍手。
プログラム最後の曲が終わって、拍手鳴りやまず。
アンコールの曲も良かった。聴衆はみな満足、暖かい
気分に包まれて 去りがたい気持ちで会場を後にした。

演奏中もざわついていて、曲が終わる前に 義理の拍手が
鳴る邦楽の会とはえらい違いだ。この違いは何なのか。
邦楽家は多いに反省すべし。顔見知りの尺八家は一人も
観にきていなかった。

きれいすぎるSL、そして尺八

2011-12-06 04:01:23 | 虚無僧日記
大井川鉄道をはじめ、観光としてのSL(蒸気機関車)が
あちこちで走っている。会津に行った折も、偶然SLに
遭遇した。なつかしい。子供の頃(昭和20年代)、夏休みに
会津の母の実家に行くのに、SLで8時間かかった。
トンネルに近づくと、窓側の人は一斉に立ち上がって
窓を閉める。それでも 煙が濛々と車内に入り、鼻の孔が
真っ黒になった。会津の家に着くと、まず手と顔と
鼻の孔を洗わされた。

そういう思いで「観光SL」を見ると、何かが違う。
きれい過ぎる。生活の臭いが無いのだ。働いている
という汗の臭いが感じられない。

古川太郎の作曲に『足をはずされた客車』というのが
あった。役目を終えて線路脇に放置されている客車を
擬人化したもの。

「窓辺には、酒の臭いが、別れの涙がしみこんでいる」
というような名セリフだった。

津軽三味線にも言える。その昔は、もっと泥臭く、
生活に密着したいた。今の津軽三味線には、その
泥臭さ、生活からにじみ出るものが感じられなくなった。
「純粋音楽(芸術)」というのだろうか。満たされた
環境に育った若者が、高度化したテクニックを競いあう
場となった。

さて、尺八はどうあるべきなのだろう。今日「藤原道山」
を聴いてきた。まさに「尺八界のプリンス」「貴公子」だ。
純粋に美しい“音楽”に大勢の若い女性ファンが酔い
しれていた。