現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

“感情”ではなく“勘定”で動く“ミタ”さん

2011-12-15 21:57:17 | 虚無僧日記
「家政婦のミタ」は、情ではなくお金で動く。
そして、無表情に、完璧に業務を遂行する。

「家政婦のミタ」を演じる松嶋菜々子の
“無表情”の演技が注目されている。役者は
感情をいかにうまく演技で表すかだが、
その“常識”を破った“役者魂”だ。

無表情の“ロボ顔”だったが、次第に阿須田家の
人たちと心を通わすようになる。その心の乱れを
“まばたき”ひとつで表現している。

「セリフが少ないのだから」という理由では
無いだろうが、松島菜々子は、半値のギャラで
出演を引き受けたそうな。ロケも少ないから
制作費も安上がり。

それが、制作費20億をかけた『南極物語』を
あっさりと打ち負かした。視聴者は、過去の栄光
より、現代の身近な、誰もが直面している話題に
心を寄せたのだ。視聴率は“勘定”ではなく
“感情”で動くことが証明された。






「家政婦のミタ」見た

2011-12-15 09:09:45 | テレビ・映画・芸能人
「視聴率が30%に迫り、今期最高!」とか、余りに世間が
騒がしいので見た。『家政婦はミタ』。

「父親の不倫が原因で母親が自殺」。フムフム、
原田康子の『挽歌』につながる。「家族崩壊」は
現代人が抱える共通の悩み。そこから「家族愛を
再生」するというテーマが、リアリティを呼ぶ。

「何をやらせても完璧にこなす。どんな望みも
叶えてくれるロボット」。そうだ『ドラえもん』だ。


だが「無表情で、決して笑わない機械人間」。
『銀河鉄道999』のメーテルか。謎めいている。
その謎は、「最愛の夫と子供を殺される」という
誰よりも不幸な過去。

そして「自分の笑顔が他人を不幸にする」という
負い目。これが意表をついた。昨今「笑顔こそ
幸せになれる鍵」といった論調が多い中、全く
逆をつく設定が、視聴者を惹き付けたか。

「それは 業務命令ですか」「承知しました」、
「できます」「あります」の「ミタ語」が 昨今
流行りだした。このドラマが半年早ければ、
今年の「流行語大賞」になったことだろう。

私の身近にも、幼子3人を残して母親が自殺した
家族を知っているので、「あれは、自殺では
ありません。事故です」の言葉は、私の心にも
強く響いた。

次回(12/21)最終回。はたしてミタは笑うのか。
「ニタ~」と。見逃せない。

12/14 赤穂義士討ち入り

2011-12-15 05:56:03 | 虚無僧日記
「けふは あかう らうし うちひり の ひ」そんな
「かはら版」も 現代人は読めなくなった。300年で
日本はすっかり変わってしもうた。年末恒例だった
「忠臣蔵」のドラマも、今年は消えたようである。

赤穂浪士が吉良邸に討ち入ったのは、元禄15(1702)年の
12月14日。事件後すぐ人形浄瑠璃の演目となったが、
幕府は即刻上演を禁止している。

そして、事件から半世紀ほど過ぎて、赤穂事件を
室町時代の事件とし、登場人物の名前も変え、種々
脚色されて作られたのが「仮名手本忠臣蔵」。

この頃は 虚無僧の全盛期だった。「仮名手本忠臣蔵」の
九段目『山科閑居の場』のサブタイトルは「恩愛鶴の巣籠り」。
虚無僧の吹く「鶴の巣籠り」という曲が一般にも知られる
ようになっていたようだ。浄瑠璃では「(鶴の)巣籠り地」と
いう手を三味線で弾く。だから「鶴の巣籠り」という曲は
義太夫が先ではないかという説もある。「忠臣蔵」で
誰でも知るメロディとなり、虚無僧が尺八で吹いたか。

いずれにしろ「鶴の巣籠り」は「仮名手本忠臣蔵」で
知られるようになった。そして虚無僧ブームに火が
付いたと、私は考えている。



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