現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「癌になったおかげで」鳥越氏の話

2011-12-21 12:47:41 | 心の問題
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が、癌に侵され、四度の
摘出手術を受けて、癌と闘っている心境を語っている。

癌と宣告された時、家族は嘆き悲しんだが、当の自分は、
むしろ強い好奇心で癌患者の自分を観察してやろうという
意欲が湧いた。

興味津々で受けた手術は、麻酔で眠っているうちに
あっというまに終わってしまったが、その後が大変。

夜中に、激しい痙攣が起き、ナースコールのボタンを
押すこともできない。運よく見回りに来た看護士に
助けを求めると、「手術後にはよくあることです」と、
震え続ける自分を残して スタスタ行ってしまった。

医者や看護士には当たり前の経過でも、患者にとっては
初めてのこと。事前に説明でもあれば安心するものを
一時は「死ぬのか」と不安に怯えた。

その後、癌は肺や肝臓にも転移して、四度も手術を
受ける。ここまで進行すれば「死」を意識せざるを
得ないが、自分は「死」は いつかは必ず訪れるものと
達観している。

「残された時間は長くはない」と意識はじめたことで、
残された日々を大切に 力いっぱい生きようと、新しい
ことに挑戦することにした。スポーツジムに通い、
さらに社交ダンスも再開。

がんになった“おかげ”で、規則正しい生活を心がけ、
心身ともに健康になった。仕事も以前より3倍に増えて、
今が一番忙しく、充実した人生を送っている と。

癌患者のみならず、多くの人を勇気付けてくれる話だ。

「金正日」にお悔やみの是非

2011-12-21 11:12:55 | 虚無僧日記
金正日総書記死去 韓国「北の住民に弔意」 日米も対応苦慮(産経新聞) - goo ニュース


金正日の死去の報に、韓国政府は「北朝鮮の住民に弔意を表す」とし、
「金正日」への直接的な弔辞は無かった。

米国も、クリントン国務長官が「北朝鮮住民の状況を深く懸念し、
困難なときにある彼らのことを思い、祈っている」と述べるに
とどまった。

1994年の「金日成」主席の死去時に、当時のクリントン
大統領が弔意を示す談話を発表し、批判が出たそうな。

さて、日本は「藤村 修」官房長官が19日の記者会見で
「哀悼の意」を表し「不適切だ」などの声が上がっている。

そこで思い起こされるのが、鈴木貫太郎。太平洋戦争の末期の
1945年(昭和20)年4月、鈴木貫太郎が 4月7日 内閣総理大臣となり、
その直後の 4月12日にアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが
亡くなった。

鈴木貫太郎首相は、「今日、アメリカがわが国に対し優勢な戦いを
展開しているのは、亡き大統領の優れた指導があったからです。
私は深い哀悼の意をアメリカ国民の悲しみに送るものであります。
しかし、ルーズベルト氏の死によって、アメリカの日本に対する
戦争継続の努力が変わるとは考えておりません。我々もまた
あなた方アメリカ国民の覇権主義に対し 今まで以上に強く戦います」
という談話を世界へ発信した。

一方、ナチス・ドイツの総統アドルフ・ヒトラーは、敗北寸前だったが、
ルーズベルトを口汚く罵った。アメリカに亡命していたドイツ人作家
トーマス・マンは鈴木の談話に深く感動し、英国BBCで「ドイツ国民の
皆さん、東洋の国日本にはなお騎士道精神、人間の死への深い敬意と
品位が確固として存する。鈴木首相の高らかな言葉の精神に比べ、
あなたたちドイツ人は恥ずかしくないですか」と題して声明を発表し、
鈴木の武士道精神を称賛した。

さて、今の日本には「武士道」なんて言われても気恥ずかしい
かぎり。