現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「龍頭切断してより後」「有漏路より無漏路」

2012-12-11 21:31:14 | 私の尺八遍歴
一休の偈(げ)に『龍頭切断してより後、尺八寸中古今に通ず』と
いうのがあります。一休の詩偈は実に難解で、まさに“謎解き”
です。

まず「龍頭」は「りょうとう」と読んで「両頭」です。竹の
両頭を切断して作った「尺八」によって、古今東西の真理が
見えると私は解釈しました。「両頭切断」とは、二律相反する
価値観、金持ちと貧乏、右翼と左翼、明と暗の片一方に
偏するな、つまり「中道をゆく」。一休とんち話の『この橋
渡るべからず』だったのです。

まさに私の「尺八遍歴」は「両頭切断」でした。

尺八を習う上で、まず流派の問題があります。
「都山流」か「琴古流」か。そして、吹く曲が「古典か現代曲か。
5孔か多孔か」の二極対立の中で、自分の立ち位置をどこに
置くのか。

また、尺八には、尺八は高価(30万~300万円)ですから、
「金持ち旦那衆の道楽」か、虚無僧は門付けしますから
「乞食」、の 全く相反するイメージがあります。

そして「虚無僧は“聖”なのか“俗”なのか」。「明にも暗にも
こだわらない生き方とは」。そんな風に、二律背反する考えの
中で、右に行ったり 左に行ったり、振り子のように、揺れ
動く半生でした。

まさに、一休の云う、

「有漏路(うろじ)より 無漏路(むろじ)に出でて一休み
   雨降らば降れ、風吹かば吹け」です。

「人は悩みのある世界(有漏路)から、悟った気持ち(無漏路)になり、
悟ったかなと思っていても、また悩みが生ずる、悩んだり、
悟ったり、行ったり来たり。もう“ウロウロ”するのはやめにして、
“一休み”しよう。

もう、雨が降っても、風が吹いても、うろたえたり、悩み苦しむ
ことなんか無いぞ」というのが一休の悟りでした。私ももう
そろそろ・・・・・です。

「小沢昭一的こころだぁ~」

2012-12-11 20:47:24 | 私の尺八遍歴
小沢昭一さん逝く…昭和の語り部また1人天国へ(サンケイスポーツ) - goo ニュース


ラジオから童謡『たき火』が聞こえてきた。歌っているのは
なんと「小沢昭一」。こんなレコードも吹き込んでいたのだ。
その「小沢昭一」さんが亡くなられたとのお知らせ。83歳だった。


『小沢昭一の小沢昭一的こころ』は昭和48年から39年、1万回
以上続いたとのこと。私も聞くのが好きだった。

毎週金曜日に次週の5回分を収録するのだが、「小沢昭一」は
原稿を受取ると、毎日読む練習をし、当日は髪も床屋でセットし、
スーツにネクタイをきちんと締めてスタジオに入ったとのこと。
生真面目で律儀な方だった。

私も、人前で尺八を吹奏する時は、それに見合った舞台衣装。
稽古の時もスーツにネクタイを崩さない。戦前、宮城道雄が
NHKラジオで生放送する時、金屏風に緋毛氈、紋付、羽織、
袴の正装だった。プロたる者、そのくらいの矜持は欲しい。
それが「小沢昭一的こころだぁ~」

「小沢昭一」は、1971年(昭和46年)、全国を廻って収集した
音源を元に制作したレコード『日本の放浪芸』LP 7枚組を発売し、
1971年度の第13回日本レコード大賞企画賞を受賞。続編の
『又・日本の放浪芸』は、1974年度の芸術選奨新人賞を受賞。

「放浪芸」に「虚無僧」は 入ってなかったのかなぁ。

消える?「インプラント治療」

2012-12-11 20:24:33 | 虚無僧日記
月刊『FACTA』2012年12月号)から

歯の治療の「インプラント」。以前からトラブルが取り沙汰され、
それを歯科医がもみ消すという構図だったが、ついにNHKの
報道番組「クローズアップ現代」がメスを入れた。

相談件数が2千件を突破、体調不良や身体的トラブルといった
「危害」を受けたケースが343件に上ったとして、その
被害事例を次々に報道した。それによって「インプラント治療」を
受ける人が激減しているとのこと。

トラブル増加の要因は、粗製乱造された「歯科医」の未熟さに
あるらしい。歯科医は全国に約10万1千人、歯科施設は
6万8千を数える。「コンビニより多い歯医者」だそうだ。

開業歯科医の平均月収は120万円。雇われ医師では2割の
歯科医が月収15万円に甘んじているという。


尺八家にとって「歯」は生命線。入れ歯になったら
プロ廃業だ。私もあと何歳まで尺八が吹けるかわからない。

「今のうちにインプラントにしては」と歯科医に勧められている。
300万はかかるそうだ。でもそれで、元がとれるとは思えない。
やっぱり や~めた。