現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

自殺者3万人割る

2012-12-14 22:01:23 | 社会問題
自殺者 15年ぶり3万人切るペース 警察庁まとめ(朝日新聞) - goo ニュース


11月までの全国の自殺者数が2万5,754人。97年以来
15年ぶりに年間3万人を下回るペースとのこと。

男性1万7,840人、女性7,914人で、都道府県別では、
東京が2,564人でトップ。最少は鳥取県で120人。

自殺者は98年に3万人を突破し、ピークの03年には
3万4,427人となった。

近年は
09年 3万2845人
10年 3万1690人
11年 3万 651人
と減少傾向で推移している。

今年は昨年同期比2800人減で、このままで行けば
3万人を下回る見通しという。

「ナナお嬢」が「自殺」についての小論文で、こんな
ことを書いていた。
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かつて日本では、自殺を美化、賞賛する風潮があった。
「自殺することで、一切の罪から免れられる」という
思想が、自殺を“権利”として正当化してきた。

しかし、一方では「生きて、本分を全うすべき」という
考えもある。生きたくとも生きられない人の無念を
思えば、この世に“生”を得たからには、“生”を
全うする“義務”がある。

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へぇ~でござる。あの子が こんなまともなレポートを
書くようになったか。ま、うれしいことです。

義民「佐倉惣五郎」の話はフィクション?

2012-12-14 18:29:12 | 虚無僧日記
12/16 佐倉市で講演しますので「佐倉惣五郎」について
ネットで調べてみました。

江戸時代の初め、堀田氏の過酷な年貢取立てに窮した
農民たちを救うため、名主の「佐倉惣五郎」が将軍に
直訴し、願いは聞き届けられたが、妻子もろとも
処刑されたという悲しいお話。

ところがどっこい。この話は幕末になって芝居小屋で
上演されて、全国に知られるようになったもので、
直訴を行ったとする記録や確証は無いとのこと。
なんじゃ。
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「地蔵堂通夜物語」「堀田騒動記」などの題で残されて
いる「惣五郎物語」は、18世紀後半に地元に残る伝承を参考に
しながら創作されたものである。この物語が広範に流布するに
至った要因のひとつは、延享3(1746)年に山形から佐倉に入封した
同族の堀田氏が,惣五郎の怨霊を祭ったことに求められる。

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尼崎連続変死事件

2012-12-14 11:16:52 | 社会問題
「逃げられた」=容疑者自殺で被害者の父―尼崎連続変死(時事通信) - goo ニュース


いったい何人殺されたのか、なんで殺されたのか、さっぱり
わからない、謎だらけの「尼崎連続変死事件」。なぜか
事件の大きさの割りには、覚めた報道だ。

「角田美代子容疑者」の自殺で、事件はウヤムヤに。
これで 75日過ぎれば、世間から忘れ去られるのだろう。

不思議なのは「角田美代子」の「支配力」。なぜ1人の女性に
かくも多くの大人が翻弄され、さしたる抵抗もできずに、
命までをも奪われることになってしまったのか――。

マインドコントロールか、カリスマ性か。「角田美代子」は
家族の愛に飢えていたとも。

歳は64歳。私と同じ。自殺前に「有罪になって、出所
する頃はもう85歳。生きていてもしょうがない」と
洩らしていたそうな。「死刑になる」とは思っていなかった
というなら“すごい”ことだ。

現段階での容疑は「傷害致死罪」で、3年以上の有期懲役で、
死刑にはならないというのだから、ますます判らん。

おやまぁ「ミャンマー」って

2012-12-14 10:31:27 | 心の問題
「ミャンマー」というのは対外的、国際的に英語表記で
使用されるもので、国名は「ビルマ」でよいそうだ。
「日本」を「Japan」。「北京」を「Beijing」と
呼ぶようなものか。

竹山道雄の『ビルマの竪琴』で、日本人には親しみのある
ビルマだが、軍政下に 情報の隔絶した国となった。

それが昨今、日本と中国との関係が怪しくなってきたことも
あって、日本企業のミャンマー進出が話題になっている。

といっても「未知の国」。「東京ドーム500個分の
広大な工業団地」への視察団が続々と現地を訪れるのだが、
電気、ガス、水道、下水無し。労働力になる“人”もいない
“無いない尽くし”で、二の足を踏む状況とか。

すでにミャンマーの都市部で働く日本人の報告が
おもしろい。「仏教国」であり『ビルマの竪琴』の国
というので、ひとまず「信」を置くが、すべて裏切られる。

とにかく、ホテルでも自宅でも使用人の盗癖がすごい。
時計でも 何でも 置いておくと 盗られる。
車のガソリンは抜かれる。電気製品でも車でも修理に
出せば、良いところの部品まで悪いモノと取り替えられる。
それにいちいち目くじら立てて腹を立ててはいけない。
警察もとりあってくれない。

「盗られた!。盗った犯人は明らかにあなただ」と
判っていても、決して詰問したり、責めてはいけない。

「現金や 貴重品を置かないで」と書かれた紙を指差して、
「置いたあなたが悪い、取った方は悪くない」と開き直られる。

まず「はい、私のミスです」と謝る。そして「どこかに
置き忘れたかもしれません。一緒に探してください」と云って、
部屋を出る。部屋に戻ると、ちゃんと元の場所に置いてある。

そこで、「お騒がせいたしました。ここにあったのに気がつかずに 
失礼しました。これで皆さん コーヒーでも飲んでください。
と、チップの一つも置いてきましょう。
それが「ミャンマーで生きていく知恵」というからというのだ。
ウ~ん、考えさせられます。

「いいかげんさ、適当さを楽しむくらいの余裕」が必要です。
「ミャンマーだし~」と笑って過ごす。日本のような正確さ、
緻密さ、道徳観念を期待してはがっかりするだけです。
「南国の適当さと 椰子の木陰を たゆむ風に揺られ
流されるのもこれまた楽し」ですってさ。 








「ビルマのたわごと」

2012-12-14 09:44:49 | テレビ・映画・芸能人
中日新聞、夕刊に連載の「テレビ局映画開拓史」が面白い。
書いているのは、映画プロデューサー「角谷優」氏。
氏はフジテレビ出身で、『座頭市』『南極物語』『仔猫物語』
『ビルマの竪琴』などの映画を製作し、次々にヒットさせた。

映画会社の向こうを張ってテレビ会社が映画を作る。その
軋轢、いやがらせは相当なものだった。そうした抑圧を
払いのけて、今や「映画会社は1本も映画を作っていない」
状況にまで逆転させた。

『南極物語』などは、南極で撮影なんて不可能。膨大な費用が
かかる。誰もが「できるわけない」と反対した企画を貫行
したのだ。そこには想像を絶する苦労があった。そして、
興行収入で、黒澤明の『影武者』を抜いて、歴代一位を
記録した。

私も観たが、極寒の中、餌もなく置き去りにされた犬が、
元気に走りまわるシーンは納得いかなかった。ガリガリに
やせて、やっと生きていたという方が感動があっただろうに。
餌を与えずに痩せさせるのは「動物虐待」になるので
できなかったようだ。今ならCGで可能か。

そして『ビルマの竪琴』。中井貴一を起用してのリメイク版。
私は1956年版を観ている。モノクロの映画で、戦闘シーンや
「埴生の宿」を歌うシーンをよく覚えている。それだけに、
1985年のリメイク版は観る気はしなかった。

そもそも「竹山道雄」の原作は子供向けに書かれた童話で
事実ではない。絵空ごとであるからリアリティがない。

角谷優氏がリメイク版の企画を立ち上げたときも、社内では
「何を今さら、“ビルマのたわごと”が当たるわけがない」と、
さんざんだったとのこと。それを 興行収入で『南極物語』に次ぐ
歴代2位の大ヒットにした。その腕前と努力に、私は関心する
のである。

当時、ビルマ(現ミャンマー)には入れない。似たような
風景としてタイを選んだ。タイも政情不安定な時期だった。
映画撮影用の模造品とは云っても大量の武器や火薬、戦車まで
持ち込むのだ。通るわけがない。それを通した角谷氏の
力量には脱帽。

とにかく、映画の製作には予期しないハプニングや障害が
つきもの。私も「社内報」だが 100本余りのビデオを制作
していたので、こうした裏話には大変興味が湧く。