現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

徒然草151段 「50になっても実らぬならば・・・・」

2017-01-05 05:38:12 | 虚無僧日記

徒然草 151段

 「年五十になるまで上手に至らざらん芸をば捨つべきなり。

励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑はず。

衆に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざは止めて、

暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ」。

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なんと、 「50才になるまでに上手にならない芸は捨てるべき。

芸事は、50才以上になって習い励んでも、もう先が無い。

老人が若い人たちに交じって練習するのは見苦しいものである」

と断じている。 耳が痛い。長生きするようになって、今や

尺八愛好家の大半が60過ぎであろう。60すぎて、他人様の前で

聞かせられるような腕前まで上達していないならば、やめてしまえ

ということだ。自分ひとり山にこもって吹くならかまわないが、

他人に聞かせるとなると、聞かされる方は迷惑。見苦しいものである。

わが師、堀井小二朗が、「尺八は尺八家によって滅びる。

音程もリズムも悪い尺八を聞かせられては、これでは、誰も

尺八を習う者がいなくなる」と喝破した。

今尺八界は、若い世代の尺八家によって、革新が遂げられつつある。

もう我々老人は引退すべきである。私も今年で引退すっか。


「辛い」という字と「幸せ」は一字違いというけれど

2017-01-05 05:36:05 | 虚無僧日記

「死んでも医者には行かぬ」と嘘吹いていた私だが、昨年10月、

左脇腹と背中が痛み、病院に行ったら「尿管結石」。

「自分で出すしかない」と言われて 毎日水を1.5リットル飲んだら、

3日で石が出た。薬も飲まず、治療もせず、自力で治したことになる。

だがその際、レントゲンで胆石があることが判った。それも5.6cm。

「いずれ痛くなったら病院に行けばいい」とのこと。いつ激痛に

襲われるか、爆弾を抱えているようで、不安の日々。

仕事も約束できない。

でもこれを機会に尺八をやめて、転職しようと思い始めた。

どうせ尺八では食べていけない。今更、尺八界のトップには

なれない。私の築いた山は 所詮ボタ山程度でしかなかった。

これを転機に、他の仕事?で 飛躍したい。もし成功すれば

災い転じて福となるか。

 

すると、先日、Yさんから「息子が脳出血で倒れ、手足不随になった。

これから先どうしていいか、困った」との電話。Yさんは離婚していて

息子と二人暮らし。その頼りの息子さんの方が倒れたのだ。

Yさんも高齢になり、まともな仕事などない。息子さんに 寝たきりに

なられては、生活はますます困難。「一人息子を残して先に行く

わけにもいかない」と。

相談されても、話しを聞いてあげることしかできない私。

「なにが幸で、何が不幸か」なんて講演をさせていただいても、

私の体験など 中身は空しい。

不幸な人は どこまでも 不幸から抜け出せない現実に愕然。