ケイの読書日記

個人が書く書評

「進撃の巨人」23巻~34巻 諌山創 講談社コミックス

2022-08-06 08:01:01 | その他
 まずはお詫びしたい。先回のブログで「進撃の巨人」はまだ連載中なんて書いてしまったが、2021年に連載は終了している。間違った事を書いて申し訳なかったです。ごめんなさい。

 22巻までは、エレンやミカサ・アルミン達が、壁外の巨人や壁内の反対勢力と戦い勝利して、自分たちが住んでいる所はパラディ島という島で、海の向こうにはもっと強大な敵対勢力が存在している、というところで終わっていた。
 こういうダークファンタジー系の話って、悲しい事にめでたしめでたしで終われないんだ。登場人物はトシをとらず、争いはあるが調査兵団104期兵たちは百戦錬磨で、ピンチはあるが最終的に次々出現する敵を打ち負かす。ウルトラマンや仮面ライダーみたいに。そんな期待は打ち砕かれる。

 仲間内の結束は固いと思われたが、エレンはミカサやアルミンとも距離を取り、自分の信念を貫いていく。23巻~34巻はほの暗い。読むのが苦しくなっていくほど。

 脇役だがフロックという男がいる。エレンたちと同じ104期だが、調査兵団じゃなく内地に勤務。しかしシガンシナ区決戦のため義勇兵を募った時、調査兵団に入隊。獣の巨人をリヴァイに仕留めさせるためエルヴィン団長とともに獣の巨人につっこみ玉砕した。誰も生き残った者がいないと思われたが、フロックは生き残り、虫の息のエルヴィンを背負ってリヴァイの所に向かう。しかし最終的にエルヴィンは死亡。

 そのフロックが23巻~34巻では、エレン・イエーガー派として活動する。彼は、巨人化する可能性のあるユミルの民を世界が抹殺しようとするなら、自分たちユミルの民には世界の人たちに反撃し抹殺する権利があるはずだ、と考え行動する。彼は彼なりに自分の正義を貫き、最後に射殺される。

 正義の反対は悪じゃない、もう一つの正義だ、という言葉は本当に真実だと思うよ。
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「進撃の巨人」1巻~22巻 諌山創 講談社コミックス

2022-07-23 16:55:32 | 少年マンガ
 次男がずいぶん前に買っておいてあったマンガ。人気マンガという事は知っていたが、読もうと思っていて忘れていた。それがこの前、ドラックストアに行った時、立て看板にドリンクを持ったエレンとミカサとライナーが描かれていて、家に「進撃の巨人」がある事を思い出し、さっそく読んでみる。
 本当に面白いね。今まで読まずにいて損した気分。

 100年前、突如、現れた巨人たちによって人類は食いつくされそうになる。この巨人ってのが、謎が多い生き物なのだ。男型・女型あるが生殖器はないので、どうやって増えているのか分からない。人を食うが、消化器官はないのでお腹が一杯になったら吐き出す。消化してエネルギーにしている訳ではないようだ。つまりエサとして人間を食うのではなく、殺すために食っている。
 大きさは、普通の巨人は3m~15mほど。しかしマンガの冒頭に登場した超大型巨人は60mある。だから人類が3重の壁を造って逃げ込んだ高さ50mのウォールマリアから頭がひょっこり出るほど大きくて、ウォールマリアを破壊する。
 3重の壁 ウォールマリア・ウォールローゼ・ウォールシーナを一体どうやって造ったのかも謎。そもそも人類に100年前以前の歴史が無いのも謎。
 これらの謎は、物語が進むにつれて少しずつ明らかになっていく。

 私は最初、この巨人たちは人類が兵器として開発したが、コントロールに失敗し、人類を攻撃してきた…なんて陳腐な想像をしていたが、もっともっと複雑な構成。だから一度目読んだとき、理解できない部分も多く、2度目をじっくり読んだら、色んな所に伏線が貼ってあった。

 連載は続いているし、まだまだ謎は残っているが、自分なりに仮説を立てるのも面白いと思う。未読の方はぜひ読んでみてね。
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「82年生まれ キム・ジヨン」チョ・ナムジュ 訳 斎藤麻里子

2022-07-09 14:27:00 | その他
 私は流行に疎く、BTSもKポップも韓流ドラマも興味ないが、数年前この本が爆発的に売れたという事は知っていた。ブックオフで見つけ買ってみる。

 1982年生まれのキム・ジヨンさんは、3年前に結婚し1歳の女の子がいる。夫はIT関連の中堅企業に勤め、ジヨンさんも小さな広告代理店で働いていたが、出産とともに退職した。夫は優しいが忙しいので、現在はワンオペ育児で頑張っている。その彼女に異変が起きるようになった。どうも精神的にキツイようだ。彼女はカウンセリングを受ける。

 うーん、学歴社会は日本も同じだが、この韓国および中国の学歴社会は本当に凄まじい。私が高校生の時聞いた話では、東アジアは何といっても昔から中国文化の影響を強く受けている。その中国では、大昔から科挙という役人試験があり、王朝が変わっても千年以上も脈々と受け継がれ、世の中で出世しようと思うと、まずこの科挙に合格しなければならない。この科挙は本当に合格率が低く「40、50は鼻たれ小僧」というんだそうだ。つまり40歳、50歳になってもなかなか合格しないという事。
 そういう文化的精神的下地があるので、受験競争が過熱しやすいんだ。

 このキム・ジヨンさんも過酷な受験競争を勝ち抜き大学入学、就職ではなんとか小さな広告代理店に入社することができた。
 韓国でも、多額の教育費が必要だが、このキム・ジヨンさんのお母様がすごくパワフルな人なんだ。色んな仕事を経験するが、たいして稼げない。で、不動産投資をして、これが当たるんだ!!
 韓国で不動産投資って一般的なのかな? 先日TVでマンションを買って転売し多額の利益を得た、元幼稚園教諭が出てきたが、マンションも爆上がりしてるんだね。

 そして男尊女卑。これは日本でも根強いが、韓国の場合、兵役があるからなぁ。2年の兵役が男だけの義務っておかしいよ。女も2年の兵役を義務付ければ? たしかイスラエルには女性も兵役があると聞いた事がある。
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益田ミリ 「スナック キズツキ」 マガジンハウス

2022-06-26 09:58:57 | 益田ミリ
 このコミックが夜11時台のTVドラマ化されたって事は知っていた。へぇ、益田ミリ原作か、どんな話だろう…と思っていたのだ。先日、ブックオフをぶらぶらのぞいていたら、この「スナックキズツキ」を見つけ早速購入!

   傷ついた者しか たどりつけないスナックが 都会の路地裏にあるらしい

 そうなんだ。傷ついた人たちがこのスナックに吸い寄せられる。でも、ものすごーーーく傷ついたわけではない。アニメ会社や病院を放火した男たちみたいに、社会に復讐してやろうと攻撃的になっている訳でもない。ほんのちょっとした事、私って大切にされてない?私って少し損してる?私って都合のいいだけの人間?といった小さな不平不満が心の中に積もってしまって息苦しくなっている人たち。

 アダチさん、という女性が登場する。この人はデパ地下でお惣菜を売るお店に勤めている。色々細かい注文をつける客がいる。パックに詰めたサバの竜田揚げの身が欠けているからもっとキレイなのに入れ替えろと要求されて笑顔で対応。
 パート仲間の主婦は「子どもの塾の面談がある」「うちの子、バレエ教室に通い始めて」とか言って、シフトをかわってと要求してくるが笑顔でOK。
 売れ残ったお惣菜3パックを店長から2人で分けて持って帰っていいよと言われるが、そのパート仲間の主婦は子どもが好きだからとか言って全部自分で持ち帰ってしまう。その時もアダチさんは笑顔で「どうぞ」
 そのアダチさんが「スナックキズツキ」に吹き寄せられる。アダチさんは高校までピアノをやっていた。比較的いいとこのお嬢さん。だからか自己主張をするのが苦手。今まですっごく損をしてきた、小さい損が積み重なってすごく大きな損失になってると思う。それを取り戻したいのかな?コールセンターの苦情電話で不平不満を抑えられない。溢れ出すアダチさんの怒り。
 アダチさんは歌う。「こんな私じゃなかった。ちがうんだ。ちがうんだよ。本当は」ああ、アダチさん、切ないです。

 私、ブックオフで買った本は、次に行く時、売ること多いけど、この「スナックキズツキ」は手元に置いておきたいです。
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林真理子 「中島ハルコはまだ懲りていない!」 文藝春秋社

2022-06-22 14:54:46 | 林真理子
 「中島ハルコ」シリーズ第2弾。第1弾がとても面白かったので第2弾も読んでみる。中島ハルコは名古屋出身の53歳会社経営者。このシリーズの語り手のフードライター菊池いづみに「日本一厚かましい女社長」と呼ばれている。
 第1弾ではハルコの出身地・名古屋のお話も少しはあったが、今回は全く無し。ちょっと寂しいね。上流階級の縁談の話が多い。

 お見合いって絶滅したと思っていたけど、お金持ちや家柄がすごい家では、まだまだ多いらしい。そりゃそうだ。配偶者の実家に資産があったり、社会的地位が高かったりすれば、今後の自分の仕事に大きなプラスになるものね。
 ただ、男の方は、いくら良家のボンボンでも、大学のサークルで知り合ったり職場結婚したりと、良さそうな物件はどんどん売れていくのに、お金持ちの家に育った女の子は、自分より貧乏な人と結婚したがらず(当たり前か!)どうしても上流社会では女の子が余ってしまう傾向がある。

 でも庶民の間でも、年頃の娘や息子を持つ親の体感では、実数では男の方が多いけど、結婚したいと思っている人数でいけば、女の方が多いような気がするなぁ。
 ひと昔前まで、男は結婚しないと社会的に認められなくて出世しにくい傾向があった。そういった意識が薄くなり、結婚から自由になった気がする。もちろん経済的な問題で結婚を最初からあきらめている人もいるけど。
 それに対し、女の方は結婚で豊かになろうと考えているような。本人がというより親が。

 ああ、話が大幅に脱線してしまった。とにかく日本一あつかましいハルコがズバズバ言いたい事を言うので、結構面白いです。

 
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今村昌弘 「屍人荘の殺人」 東京創元社

2022-06-12 14:13:46 | その他
 数年前にすごく話題になっていたミステリ。2018年国内版「このミステリがすごい!」第1位受賞。なるほどね。
 クローズドサークルってのは一般的には、台風が来てペンションに通じる一本道が土砂崩れにより通行止めとか、海に浮かぶ小さな島にバカンスに来たが、船が流されてしまいorエンジンが故障して、小島に取り残される…といった状況を意味するが…。この「屍人荘の殺人」では、大勢のゾンビによってペンションが取り囲まれ、しかも電話や携帯がつながらないといった新しいタイプのクローズドサークルなのだ。
 えーーー!!なんて荒唐無稽な設定! さぞかしトリックもバカバカしいんだろうと思われたそこのアナタ! トリックはすごく緻密なんです。感心しました。

 ゾンビがなぜ大量発生したかというと、人為的なウイルステロ。自分の研究を人間で実験してみたいという研究者と、世の中をひっくり返したいというテロリストたちが合流し、ゾンビになるウイルスを人が密集しているロックフェスティバルでまき散らす。それどころか、自分自身にもウイルスを注射して自らゾンビとなり、他の人間を襲っている。

 色んなゾンビ映画で様々なゾンビが登場するが、ここに出てくるゾンビは吸血鬼タイプで、嚙まれるとアウト。体液で感染するらしい。空気感染はしない。もともと死んでいるので、1週間もすれば腐敗して動けなくなる。(夏場だと2、3日?)
 通報を受けた政府は、周辺を封鎖し、混乱がおきないよう情報統制する。だからペンションから外部へ電話が繋がらなかったり、スマホが圏外になっているのだ。
 中世ヨーロッパで、ペストが大流行している町を封鎖し、町に通じる道路に軍隊を配置し、町から人間が逃げ出さないようにして町を焼き払ったらしいが…それに近いんだろう。

 それにしても、ものすごい悪臭だろうね。でも嗅覚は慣れるのが早いというから、どうってことないかも。感染力が100%なんてウイルスあるんだろうか?ここのゾンビは、食料として人間を喰らう訳ではなく仲間を増やそうとして襲っているからタチが悪い。
 でもそうすると、世界中の人が全部ゾンビになってしまったら、結局ゾンビも絶えるしかないね。

 ゾンビが強烈すぎて、肝心のトリックの方に頭が回らない。でも、本当に精巧にできたトリックなのだ。ぜひご一読あれ!
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塩田武士 「罪の声」 講談社文庫

2022-06-04 16:11:15 | その他
 このブログを読んでくださってる皆様は「グリコ森永事件」を覚えていらっしゃるだろうか。この小説「罪の声」はその事件を下敷きにしている。1984年の事件だから、まだ生まれていない人も多いだろう。昭和の有名な未解決事件だ。

 私は当時20代半ばで、個人的にすごく忙しい時期だったし、お菓子を買うような年齢でもなかったので、ニュースで騒いでるなという印象だけで、しっかり新聞や週刊誌を読んだという記憶がない。
 ただ、大企業の社長が誘拐され、身代金が要求されたのが発端だったので驚いた。誘拐というのは、小さな子どもを標的にするものであって、成人男性を誘拐すると様々な事を記憶されて犯人にとって都合が悪いのだ。子どもを誘拐しても、後からぺらぺらと話されると自分たちが捕まってしまうので、誘拐した子どもを殺すケースがほとんど。
 でも、この事件では、社長は無事、解放された。

 その後、商品のお菓子に毒を入れると企業を脅して、企業からお金を脅し取ろうとした。実際、コンビニなどで毒入り菓子が見つかり、グリコ製品は店頭から撤去され、グリコは大打撃を受けた。犯人たちは、その他、数社を脅迫したことが分かっている。
 犯人たちは、表向きはお金を脅し取ることに失敗して、何も得ていない。でも、こういった計画的犯罪をやろうと思うと、準備のお金がものすごくいるんだ。犯人たちが何も得ず、あきらめるわけがない。この小説の中では、仕手筋がグリコの株を上げ下げして儲けたんじゃないかと書いている。

 それから、この「グリコ森永事件」で一番心に引っかかってるのが、場所の指定に子どもの声を使っているんだ。合成した音声でなく生の声。幼い男の子の声と若い女の子の声。なぜ? その声からアシがつくんじゃないの? もちろん犯人たちの身内だろうし、録音時には脅迫に使うなんて知らなかっただろうけど、ニュースで何度も自分の声が流れて、肝が冷えただろうね。人生終わったと絶望したんじゃないか。
 海外にいるのかな? 脅されてる? それとも殺されちゃったのかな?

 その子たちにも親がいるだろうに、よく我が子にやらせたよ。ボイスチェンジャーとか合成音を使ってやれよ。児童虐待だ!!!と当時は強く思ったね。
 生きていれば、今40歳過ぎ。50歳近いかもしれない。元気にしているだろうか?
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フカザワナオコ「40代が、こんなにしんどいなんて聞いてなかった」幻冬舎

2022-05-22 16:18:00 | その他
 筆者のフカザワナオコさんは、益田ミリさんより知名度は劣るが、それでもなかなか売れてるコミックエッセイスト。ハウツー本としてもためになる。それに愛知県在住だという事で、親近感があるのだ。同じナオコで同じコミックエッセイストで、タカギナオコさんという方もいて、この人も素敵なマンガを描く人。
 そういえば、私、古くからの友人に直子さんがいて、この人も優しくて穏やかな人だから、私とナオコさんって相性がいいのかな?

 さて、このフカザワナオコさん、今まで健康だったけど40代になって、五十肩 気圧の不調 歯周病 老眼 更年期 などなど身体の不調に悩まされることになった、その対処法を描いている。自分の40代の頃を思い出して…わかる!!!

 私は今の所、五十肩や更年期になった事はないので、ありがたいことだと思っているが、老眼と歯周病には本当に困っている。どちらも年齢を考えれば仕方ない事だけど、ド近眼と強度の乱視で、その上これに老眼や白内障がプラスされてくるんだから、恐ろしい。映画もクリアな視界で見ようとするのは無理だと思う。運転免許の更新もあきらめた。もともとペーパードライバーで乗っていないし、矯正視力が0.7以上という条件もパスできないと思ったから。
 あああ、どうしてこんなに目が悪いの? 私の母親は今年90歳になったけど、少し白内障があるとはいえ、裸眼で0.8あるのに。

 それに一番ムカつくのは歯周病。トシをとると唾液の量が少なく質も悪くなると実感している。歯磨きしてもすぐ口の中がネバネバしてくる。郷ひろみは、暇さえあれば歯を磨いているという話だが、歯周病の前段階で、口の中がネバついているんだろうか。

 そして、もう一つ『お通じ』 フカザワさんは若い頃快調だったけど、40歳過ぎたあたりから便秘気味になったというが…こういう話はよく聞く。腸内細菌が変化しているんだろう。だからフカザワさんは腸活としてヨーグルトを食べるようになった。 
 私はもともと便秘体質だけど、この2~3年とても良いなと思うのはオリゴ糖。これは腸内の善玉菌の餌になるもので、オリゴ糖を牛乳やコーヒーに入れて飲むと、善玉菌が増えたらしく快調。困ってる人は試してね。
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益田ミリ「わたしを支えるもの すーちゃんの人生」幻冬舎

2022-05-12 18:01:51 | 益田ミリ
 前回のUPから3週間近くたってるんだ。自分でビックリ!!!
 2年半ほど前にスマホゲームを始めてから、本当に本が読めなくなった。だめだなぁと思いつつ、スマホゲームって本当に面白いから仕方ないよね。本が売れなくなった理由がよく分かる。年齢のせいか、近視ばかりか乱視もひどくなって、画面をじっと見ていると本当に疲れる。ゲームも読書も両方やって、という訳にはいかない。
 だったらブログを止めればいいじゃん!と言われそうだが、止めたくない。間隔がすごくあいても、ブログを続けていきたい。それが、自分を支える一つのような気がするから。

 この益田ミリさんのすーちゃんシリーズ最新刊のタイトルは「わたしを支えるもの」(とはいっても2019年の発行だけど)
 40歳の誕生日を迎えたすーちゃんは、いろいろ思い悩んでいる。すーちゃんの友人のさわ子さんと相変わらず仲良くCAFEでお茶してる。さわ子さんはすーちゃんが大学時代バイトしていた所の社員だった人で、今は本社の経理部で働いている。すーちゃんより5歳年上、独身。
 いわば、すーちゃんのロールモデル。

 このさわ子さんが重要キャラなんだよね。以前は、会社のお昼休み、一緒にランチに行く仲の良い同僚がいたのに、その人が家庭の事情で会社を辞め、今では一人で淡々とランチを食べている。勤続22年。女子社員の中では一番の古株かもしれない。だけど肩たたきにあう訳でもなく勤め続けられるんだから、良い会社に入社したよ。
 そのさわ子さんは、お母さんが検査入院した病院で、傾聴ボランティアをやってみないかと誘われる。講習会を何回か受けて、さわ子さんは傾聴ボランティアを始める。そこでさわ子さんは色々気づく。「生きていくって新しい明日だけじゃないんだなーーって思うようになったの」「思い出を繰り返しなぞる事も、その人にとっては大切な事だったりするから」

 そうだよ。トシをとって外出もままならなくなった時、何が私を支えるだろうか? 過去は美化される。思い出の小さな引き出し、それがいっぱい並んでいて、それらを開けると楽しくて美しい思い出が沢山詰まってると良いね。ひょっとしたら、今、私が夢中になっているゲームのキャラたちが飛び出てきて、新しい物語を紡いでくれるかも。
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雨穴 「変な家」 飛鳥新社

2022-04-26 14:23:04 | その他
 新聞に大きく広告が打ってあり、面白そうなので読んでみた。

 帯に「あなたは この間取りの謎が解けますか?」「この家、何かがおかしい」とある。その不可解な間取り図が表紙になっていて、ふんふん、ここの玄関から入ってすぐにリビング、ダイニングテーブル、イス、ソファが置いてあり、階段を上がって2階に行くと、すぐに脱衣所お風呂があって(そうか、最近の家ってお風呂を2階にする事が多いんだ。リビングを広くしようとすると、そうなるのかな)廊下をつきあたると右手にドアがあり、そこを開けるとベッドルームや洋室や子供部屋があって…あれ?中央にある大きな部屋は子供部屋らしいけど、この部屋は全く外に面していないし窓もない。明かりをどうやってとるんだろう?真っ暗じゃないか、天窓でもあるのかな?まさか昼間でも電灯をつける設計?
 それにこの部屋、1階から上がって来て1、2、3 3つのドアを開けなきゃ入れないよ。なんでこんなめんどくさい事をしたんだろ?

 確かに、気味の悪い間取り。

 主人公の知人が、この中古住宅を買おうとして主人公に相談する所から、この話が始まる。後半は、ちょっと荒唐無稽な箇所が多く、いくらなんでもストーリ展開が強引すぎると思うが、この間取りから始まるストーリー導入部には、すごく惹きつけられます。

 「この間取りの謎を解け!」とかいう懸賞小説でも募集したら、いろんな解答の小説が読めそう。
 私だったら…そうだなぁ、精神的に不安定な我が子のために作った部屋とかね。その子が極端に人の視線を気にし、人に見られる事を怖れる子だった。また親の方も、近所の目を気にして人目に触れさせないようにした。窓がない部屋の方が、その子にとって落ち着く。でも、全くお日様に当たらないと、精神がますます病むだろうけど。

PS. マウリポリの地下壕に逃げ込んでいる人たち、お日様を浴びたいだろうにね。早く戦争が終わりますように。
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