ケイの読書日記

個人が書く書評

ディクスン・カー「帽子収集狂事件」

2006-04-25 14:40:17 | Weblog
大好きな本・読んだ本


 ロンドン塔の石段で一人の男が死体となって発見された。しかしゴルフ服着用の死人の頭の上には、およそ服装とはまったくチグハグなシルクハットが載っていた?!


 ディクスン・カーにしては珍しく、密室物ではなく、またオカルティックな伝説もでてこない。怪奇趣味や惨殺死体が好きな人には、ちょっと物足りないかも…。
 でも、(訳のせいかもしれないが)前回読んだ「プレーグコートの殺人」より出来がいいと思う。


 オカルティズムが少ないといっても、霧深いロンドン塔、ロンドン塔内で処刑された多くの貴族王族たち、「モルグ街の殺人」以前に書かれたというポオの未発表作品などなど、雰囲気は十分です。

 それにしても、すれちがう人の顔さえ識別できないというロンドンの深い霧ってどんなんでしょう?ロンドン市内でも遭難しそう。
 ロンドンというのは、ミステリー気分を味わうには良い所かもしれないが、湿気が多くて住みにくそうな街ですね。


 犯人は比較的わかりやすい。というか、消去法で消していくと、この人ぐらいしか残らない。ただ、最後のフィル博士たちが取った決定には、私は反対です。(ホームズやポアロもたまにやりますが)
 法は守られなければならないと思います。
コメント (6)
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