久々に面白い本格を読んだ気がする。
内側から錠ががかった密室状態の書斎で、ミステリ作家が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み、銃を握りしめて死んでいた。かたわらの料理は湯気が立っているのに、なぜか遺体は死後24時間以上が経過していた。
しかもこの現場の状況は、作家が構想中の小説「死が招く」の設定とそっくり同じだった。こんな事がなぜ起こる…?!
ポール・アルテは「フランスのディクスン・カー」という触れ込みだが、カーよりもうんと上質で論理的なミステリだと思う。
確かに怪奇趣味的な雰囲気はカーの方が上だが、あやふやな説明に終始する怪奇現象をいくら並べ立てられても、優れた推理小説とはいえない。
その点、ポール・アルテは、こんな謎めいた密室殺人現場をどうやって収拾するんだろうと最初は不思議だが、最後の謎解きでキチンと解決していくんである。
それも単純明快に。
(でも、『水の半分はいった小さなカップがどうして窓際に置かれていたのか』についての解答は、ちょっと反則気味)
「あーあ、最近、本格を読んでないな」とお嘆きのアナタ!お勧めの1冊です。
内側から錠ががかった密室状態の書斎で、ミステリ作家が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み、銃を握りしめて死んでいた。かたわらの料理は湯気が立っているのに、なぜか遺体は死後24時間以上が経過していた。
しかもこの現場の状況は、作家が構想中の小説「死が招く」の設定とそっくり同じだった。こんな事がなぜ起こる…?!
ポール・アルテは「フランスのディクスン・カー」という触れ込みだが、カーよりもうんと上質で論理的なミステリだと思う。
確かに怪奇趣味的な雰囲気はカーの方が上だが、あやふやな説明に終始する怪奇現象をいくら並べ立てられても、優れた推理小説とはいえない。
その点、ポール・アルテは、こんな謎めいた密室殺人現場をどうやって収拾するんだろうと最初は不思議だが、最後の謎解きでキチンと解決していくんである。
それも単純明快に。
(でも、『水の半分はいった小さなカップがどうして窓際に置かれていたのか』についての解答は、ちょっと反則気味)
「あーあ、最近、本格を読んでないな」とお嘆きのアナタ!お勧めの1冊です。