ケイの読書日記

個人が書く書評

中島たい子「そろそろくる」

2008-02-23 14:45:29 | Weblog
 前に読んだ『漢方小説』が、なかなか面白かったので、また彼女の小説を借りてきた。

 前回はシナリオライターの話だったが、今回は32歳のイラストレーター。売れっ子ではないが、趣味でイラストを描いているとか、デザイン事務所勤務などではなく、自分で依頼を受けイラストを描いて報酬を得て、それでアパートを借り生計をたてている。
 彼女は、生理前に体調が悪くなったり精神が不安定になるP.M.S.に悩まされている。

 P.M.S.(Premenstrual Syndrome/月経前症候群)とは、黄体期に起こる身体的、又は精神的症状で、月経が始まると消えるものをいう。

 この小説の主人公もそうだが、私も最初このP.M.S.という名称を聞いた時、そんなものが病気になるの?!と驚いた。
 多かれ少なかれ、女には身に覚えがあるだろうから。
 だけど、すごく症状が重い人もいるし、医学的に説明できるので、自覚すれば自分で自分をコントロールしやすいし、周囲に理解を求めやすい。
 だから最近よく、女性誌でこのP.M.S.の特集をやるようになった。


 しかし…ねぇ、文芸評論家が中島たい子の小説を読んで「30女のぐだぐだを読むのはもう沢山」と言ったというのは理解できるなあ。
 このタイトル『そろそろくる』にしても、女性読者の方しか向いていない、というか…。
 男が『そろそろくる』というタイトルの本を持ってレジに並びにくいだろうね。
コメント (4)
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