ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本洋子「四十でがんになってから」

2010-06-03 10:53:45 | Weblog
 以前読んだ『がんから始まる』は、書き下ろしだったが、これはあちこちの雑誌に載せたがん関連のエッセイを一冊にまとめたもの。
 私が今まで読んでいたものと少し重複する所はあったが、興味深く読めた。

 私は父方にも母方にも、がん患者はいない。
 どちらかというと、脳梗塞でバタッと倒れ、身体が不自由になって、そのうち寝たきりになって死に至る、というパターン。
 一昔前の典型的な日本人の死に方をする人が多いので、私も多分そうだろう。
 でも、岸本さんも近い血縁者に、がんの人はいなかったようだから、分からないね。

 とにかく、岸本さんは働きすぎ! 1ヶ月に20本も〆切があるなんて、身体にいいわけないよ。おまけに、その〆切に遅れたことが一度も無いなんて、ストレスがたまるはず。
 そうやって一生懸命働いて貯めたお金が、がん治療のためどんどん無くなっていくなんてバカバカしい。
 岸本さんのプライベートな旅行も、本当に慌ただしい。ご自身は「命の洗濯ができた」と満足していらっしゃるが、疲れるだろうなぁ。
 1ヶ月ほど南の島でボーッしてきたら?と奨めたくなっちゃう。
 先のことは何とかなるわよ。

 でも、岸本さんは5年間がんが再発せず一応治癒したらしい。だから闘病記が読みやすいのよね。
 これが、以前読んだ『がん漂流記』のように著者が死んでしまったら…読むのをためらうだろうな。


*イラストは「十五夜」さんです。
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