ケイの読書日記

個人が書く書評

中山千夏「幸子さんと私ーある母娘の症例」

2011-03-05 18:19:53 | Weblog
 「中山千夏」という人を、皆さんご存知だろうか? うーん、若い人には馴染みがないかもね。ほら、『じゃりんこチエ』のチエの声をやった人です。

 1948年生まれ。8才で芸能界デビュー。天才子役として騒がれ(もちろん、その時代をリアルタイムで私は知らない。10歳年上の人だから)成長してからも女優として評価される。
 しかし、私くらいの年代の人には、TVタレント、司会者、歌手、文化人、といったイメージですね。今でいうマルチタレント、タレント文化人のはしり。

 政治活動にも熱心で、参議院選挙で当選して、何期か議員活動もした。
 今は、芸能活動も政治活動も引退し、文筆の方に専念しているらしい。

 その彼女が、先年亡くなった彼女のお母さんとの葛藤を清算しようとして書いた本。
 
 お母さんは、やり手のステージママという訳でもなく、万事控えめな人だったらしいが、それでもやはり、実の母娘の間には、色々あったようである。
 ちなみに、千夏さんは一人娘、そのお母さんも一人娘らしい。つまり、千夏さんには兄弟もいなければ甥や姪もいない、叔父さん・叔母さんもいないことになる。

 母親と息子の関係の難しさを、マザコンなどと非難されるせいか、私の周りに男の子の一人っ子はほとんどいないが、女の子の一人っ子は本当に多い。
 これって、男の子よりも女の子の方が親の価値観に従順だから、という親の意思の表れではないのかなぁ。
 一人目男の子が生まれると、マザコンと言われても可哀想だからもう一人か二人生むけど、一人目が女の子だと、もういいや。そしてその子にお金を掛けてしっかり教育し、親の思い通りの人生を歩ませようという考え。

 こういった母娘の関係の困難さを取り上げた本って、最近多いような気がする。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする