ケイの読書日記

個人が書く書評

天童荒太「孤独の歌声」

2012-02-16 10:52:35 | Weblog
 一人暮らしの女性達が次々誘拐され、無残な死体となって発見された。しかし、誘拐直後に殺害された形跡は無く、どうやらしばらくの間、連続殺人犯に『飼育』されていたらしい。

 主な登場人物は3人。深夜のコンビニでアルバイトしながら、歌への情熱を持ち続けている《おれ》
 子供の時、友達が変質者に殺された事があり、それを引きずりながら、この女性連続猟奇殺人事件を追っている婦人警官の《わたし》
 思い込みの激しい母親のゆがんだ愛情の影響で、いびつな結婚観・家族観を持つようになった犯人である《彼》

 ストーリーの面白さ、テンポの良さも素晴らしいが、一番印象に残ったのはコンビニという場。

 このシリアルキラーは、深夜のコンビニで自分の獲物を物色しているのだ。
 そうだ、買う物でだいたい一人暮らしかどうか分かる。その人の大体の行動パターンもね。
 狙った女性がレジをすませて出て行ったら、何食わぬ顔で尾行する…なんて簡単! 
ちょーーーー危険!!!

 若い女性が1人でコンビニを出て行ったら、その後3分ほどは男が出て行くのを控えるという暗黙のルールが出来ないものだろうか?


PS. 《おれ》の所属している音楽事務所にジミヘンというニックネームの社員がいる。彼は、自分が伝説のギタリスト・ジミー・ヘンドリックスに似ているからだと喜んでいるが、実は地味で変な奴だから、というのが理由らしい。
 笑ったね。久々に。
コメント
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