ケイの読書日記

個人が書く書評

高田崇史「白蛇の洗礼」

2014-01-08 10:39:30 | Weblog
 いままで、毒草師シリーズは第1作と第3作を読んだが、この第2作「白蛇の洗礼」が一番面白い。

 相変わらず、メインストーリーよりもうんちく話の方が分量が多いが、そのうんちくが今回すごく私好みなのだ。

 ねぇ皆さん。「千利休はキリシタン」説って知ってた? これって有名な噂なの? 私は初めて読んだから、椅子からずり落ちそうなほど驚いた。でも、この時代、有名大名がキリシタンだったり、千利休の弟子がキリシタンだった事は事実なので、不思議はない。
 でも…禅に強く影響を受けていたと思っていたので、違和感がある。まぁ、あくまでも根拠の薄い噂だけど。
 じゃ、わび・さびって、どうなのよ。


 中学生の時、社会科の時間に「源義経がジンギス・ハン」説がある、と聞いた以上の衝撃です。源義経は死んでいなかった、大陸に渡って、ジンギス・ハンになった、というアレです。
 もう、バカ言ってんじゃないよ! モンゴルの人が聞いたら怒るよ。


 そうそう、1986年に実際に起きた有名な「トリカブト保険金殺人事件」の話がチラッと出てきた。

 男が売れないホステスと結婚。多額の保険金をかけて、旅行先で、その新婚妻をトリカブトで毒殺。保険金を手に入れようとする。当然、警察に疑われるが、夫には完璧なアリバイがあった。
 トリカブトは猛毒なので、飲ませたら、すぐ苦しみ死に至るはずなのに、夫は何時間も前に妻と別れて帰宅しようとしていたのだ。
 ここで、ふぐ毒が出てくる。ふぐ毒とトリカブトを一緒に飲ませると、その毒どおしが拮抗して、毒が現れるのが遅くなるらしい。

 この夫は、薬学の専門家ではないものの、妻に隠して借りたアパートで、せっせと毒を抽出していたようだ。ものすごい集中力!  ちなみに、この夫の1番目の妻と、2番目の妻も、突然死しているらしい。
コメント
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