ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ 「衣もろもろ」

2015-05-14 10:54:22 | Weblog
 私は、群ようこを誤解していたようだ。この人、服装に無頓着だろうと勝手に思い込んでいたが、本当はなかなかおしゃれな人なんだ。
 しかし、考えてみれば当然。もともと日大の芸術学部卒なので、周囲にはファッションにうるさい人ばかり。新卒で代官山の広告代理店に、わずか半年とはいえ勤めたんだから、通勤着も大変だったろうね。
 売れっ子作家になってからは、経済的に余裕があるので、いくらでも服につぎ込めたらしい。
 40代になって「コム・デ・ギャルソン」が気に入り、ずっとコム・デ・ギャルソンで行くつもりだったが、50代になって、顔と服が合わなくなってきたと、群ようこは悩みだす。その、揺れる心情を書いたのがこのエッセイ。


 群さんは、たぶん私より4歳ほど年上だと思うので、子どもの頃の思い出話が、よく理解できる。
 例えば、群さんの中学生時代、ミニスカートが大流行し最悪だった、と書いてあったが、私も覚えてます!!! もう、猫も杓子もミニスカートだったな、若い女性は。慣れというものは怖ろしいもので、若い女性でミニスカートをはいてない、ひざ丈くらいのスカートだと、異星人のように目立った。
 当時の佐藤首相が、奥様同伴で訪米した時、その夫人がミニスカートをはいて、さっそうと登場したので話題になった。奥様は、たぶん60歳くらいだと思う。
 
 とにかく、ミニをはくべし!という無言の圧力がかかっていたよね。お店にもミニスカート以外のスカートが置いてないほど。
 私はまだ、制服があったのでよかったが、大学生になって私服になったらどうしよう…と内心ドキドキだった。でも、その頃には、すっかりミニもすたり、ほっとした。ラッキーだったね。


 ブティックというかショップの店員さんが怖くて、お店に入れないっていう人、多いんじゃないかな? 私もそう。
 だいたい、店員さんにバカにされないような服を、まず着なければならない。これが難しい。第一もっていない。
 えっ?! そんなにビビる必要ないって? でも、群さんが若い頃の話だけど、試着して丈を直してほしいと頼んだら、「デザインのコンセプトが変わるので、直せません」と拒否されたとか。ね、怖いでしょう?
コメント
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