ケイの読書日記

個人が書く書評

大久保純一「北斎の冨嶽三十六景」 小学館アートセレクションシリーズ

2017-04-03 10:26:43 | その他
 北斎の冨嶽三十六景の中でも、有名な「神奈川沖浪裏」とか「凱風快晴」はよく知ってるけど、他のはどうなんだろうと興味があったので借りてみた。三十六景というけど、実際は四十六枚あるんだね。人気が高かったので追加したようだ。

 北斎が、この代表作シリーズを描いたのは七十歳過ぎの事。この人は当時としては非常に長寿で、九十歳まで生きた。その直前まで現役の絵師だったというので、本当に驚く。というか勇気づけられる。
 この高齢化社会で、とっくに定年を過ぎ古希を迎えてもなお、自分の能力のピークか来るような人って…本当に少ないと思うよ。すごいなぁ。


 自分が絵画好きと思ったことはないが、それでも有名な画家の絵が地元に来れば見に行く。最近ではピカソ、藤田嗣治、ゴッホ、ゴーギャンなどなど。でも、油絵ってどうも好きになれないなぁ。ゴテゴテしていて。
 それより日本画、特に浮世絵は素晴らしいと思う。
 江戸後期、お蕎麦一杯の値段で、ゴッホが称賛したという素晴らしい版画が手に入った江戸の人は、なんて幸せなんだろう。
 そういえば、先日『世界ふしぎ発見!』で、初期のティファニーのデザインに「北斎漫画」が大きな影響を与えたと、伝えていたなぁ。すごいなぁ、北斎は!


 そうそう、この「北斎漫画」の初編を刊行したのは、尾張の永楽堂という版元なんだってね。いやーーー、名古屋市民として嬉しいです。ちなみに、「北斎漫画」はジャンプに載っているようなマンガではなく、絵手本。すごく売れて、明治11年、15編まで出版したらしい。
 そうだ! これは、なんとしても書いておかなければ! 「冨嶽三十六景」の中に、「尾州不二見原」という作品がある。職人が大きな樽を作っているその内側から富士が見えるという趣向。これは、現在の名古屋市中区富士見町のあたりから見たらしい。
 この富士見町のマンションに、私の古くからの友人がいて、何度も遊びに行ってるんだ。驚きました。北斎との縁を感じちゃう。
コメント
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