タイトルは「終わった人」だが、この小説の主人公・田代壮介は、全然終わった人じゃないんだ。いや、定年後すぐは「終わった人」だったが、途中から大活躍。この小説は新聞の連載小説だったから、読者の中高年男性を意識して? 定年後の男をもっと活躍させろって投書やメールがいっぱい来たとか。こんな上手く行くはずないって!と思いながらも読み進めていくと…。
ベビーブーマーとして生まれ、競争に勝ち抜き東大法学部を卒業してメガバンクに就職した壮介は、順調に出世街道を驀進していたが、40代後半で役員コースから外れ、最終的にメガバンクの子会社の専務で定年を迎えた。
なんでオレが役員になれず、同期のアイツが役員になるんだよ!!と内心忸怩たる思いだが、それでもこの毎日が日曜日状態に適応しようと、スポーツジムに通いだす。
昼間のスポーツジムはジジババでいっぱいだが、その中に一人、ベンチャー企業の経営者・鈴木という青年がいた。その鈴木が、壮介を自分の会社の顧問として迎え入れる。週3日勤務で年収2000万円! いっくらなんでも、そんなウマイ話があるかよ!
最初、この鈴木が小説に登場した時、私は詐欺師に違いないと思った。ほら、先日、キングという通称の男が、主に高齢者に投資話を持ち掛け、お金をだまし取ったという事件があったでしょ? コンサートを開きアーチストとしてステージで歌を歌って、自分は大金持ちだから投資に失敗しても自分の資産で補填するから、決して損はさせないと言って、お金を集めていた。被害総額は400億円以上という話。
高齢者って若い人が大好きなんだ。そして華やかな舞台も大好き。あなたは大切で特別なお客様といってちやほやされると、どんどんお金を渡しちゃう。そのうち、ネズミ講みたいな話になって大騒ぎになるぞと思っていたら…。
確かに破綻したが、それはまっとうなビジネスとして破綻しただけで、鈴木のベンチャー企業は、本当にちゃんとした会社だったね。
壮介の立場は「終わった人」どころか、ジェットコースターに乗ってるように目まぐるしく上下する。
壮介の奥さんが言う「年齢や能力の衰えを泰然と受け入れる事こそ、人間の品格」 私もこの言葉を噛み締めたいと思います。
ベビーブーマーとして生まれ、競争に勝ち抜き東大法学部を卒業してメガバンクに就職した壮介は、順調に出世街道を驀進していたが、40代後半で役員コースから外れ、最終的にメガバンクの子会社の専務で定年を迎えた。
なんでオレが役員になれず、同期のアイツが役員になるんだよ!!と内心忸怩たる思いだが、それでもこの毎日が日曜日状態に適応しようと、スポーツジムに通いだす。
昼間のスポーツジムはジジババでいっぱいだが、その中に一人、ベンチャー企業の経営者・鈴木という青年がいた。その鈴木が、壮介を自分の会社の顧問として迎え入れる。週3日勤務で年収2000万円! いっくらなんでも、そんなウマイ話があるかよ!
最初、この鈴木が小説に登場した時、私は詐欺師に違いないと思った。ほら、先日、キングという通称の男が、主に高齢者に投資話を持ち掛け、お金をだまし取ったという事件があったでしょ? コンサートを開きアーチストとしてステージで歌を歌って、自分は大金持ちだから投資に失敗しても自分の資産で補填するから、決して損はさせないと言って、お金を集めていた。被害総額は400億円以上という話。
高齢者って若い人が大好きなんだ。そして華やかな舞台も大好き。あなたは大切で特別なお客様といってちやほやされると、どんどんお金を渡しちゃう。そのうち、ネズミ講みたいな話になって大騒ぎになるぞと思っていたら…。
確かに破綻したが、それはまっとうなビジネスとして破綻しただけで、鈴木のベンチャー企業は、本当にちゃんとした会社だったね。
壮介の立場は「終わった人」どころか、ジェットコースターに乗ってるように目まぐるしく上下する。
壮介の奥さんが言う「年齢や能力の衰えを泰然と受け入れる事こそ、人間の品格」 私もこの言葉を噛み締めたいと思います。