私達は、いつ子供から大人になるのでしょう。
どうであれば、大人であると言えるのでしょうか。
大人は、確かに実際に存在しているのは分かるのですが、
私は、何か漠然として掴みきれていません。
「いつまでも、子供じゃないんだから。」「いい年なんだから。」
「大人になりなよ。」「もう大人でしょう。」
何て言う言葉を使う人もいますが、
その人に純粋な気持ちで聞いてみたい。
「じゃあ、大人って何?」
現在の日本では、民法に満20歳を成人とすると定められているので、
法律上の話では、満20歳で決まりです。
まだ大人になっていないと思っている人であろうと、
まだ大人になりたくないなんて思っていたとしても、
満20歳に達したら、問答無用の介です。
でも、これは偉い人が何人か集まって議論し、
社会的な責任を果たしてもらう年齢をいつにするかを定めたものであって、
10月10日で出産するとの同じように、
人は、生まれてから20年経過すると、
子供から大人に変化すると言っている訳ではありません。
では、経済的に自立を果たしたら?
子供の頃には生えていなかった部分に毛が生えてきたら?
子供を授かれるようになったら?
ビールが不味いから美味しいと感じた時から?
冷奴が美味しいと感じるようになったら?
人の気持ちを汲み取れるようになったら?
己の考えに自信を持てるようになったら?
誰かに護ってもらいたいから誰かを護りたいへの気持ちになったら?
誰かに頼りたいから誰かの力になりたいと思うようになったら?
一つ一つをとってみると、
これらは間違ってはいないのだろうけれども、
正しいとも限らない。
人は時と共に、また何かのきっかけで、
子供の頃にはまだ無かった何かが芽生えるということで、
大人の自分が子供の自分にとって代わるものでないように思う。
大人になると言うことは、
自分の中で一人家族が増えるようなものではないだろうか。
本来は、大人が子供を産み、子供は後から家族に加わり、
力関係は、大人が圧倒的に優位となるけれども、
個人の中では子供が先にあって後から大人が加わる。
何せ先に存在していたのだから、この子供は結構力を持っていたりして、
大人が子供を力づくで抑え込もうとしても、
そうはいかなかったりするんだよね。
例え力で抑え込めたとしても、歪が生じたりして
後々に大きな問題の種となることもあったりする。
「子供みたいだね。」「年甲斐もなく。」「子供のように感情の赴くままに。」
時に、子供の自分が思いっきり手足を伸ばし、
気持ち良く、気分よく、楽しく優等生の枠からはみ出したとしても
それは、自分が自分の子供の心を今もなお大切にし生き生きとしている証であって、
決して恥ずべきものと思う必要など無いと思うのです。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計