1995年
ベルギーの裁判所に出廷した被告が着ていた上着が
検事が過去に盗まれた上着と酷似していました。
被告が着ていた上着を調べてみると
盗品の上着であることが判明し、
検事は、上着を取り戻しはしたのですが
事件の当事者となったことで
事件の担当からはずされることに。
被告は上着を盗む程、生活に困窮していたのか、
盗める物は、全部盗む主義なのか分かりませんが、
こんなコントのようなことが実際にあるんですねえ。
それにしても検事さんは良く気が付いたものですね。
検事は、裁判に意識が向けられるので
被告が着ている盗まれた自分の上着について
見逃してしまってもおかしくはないのですが
本人と上着のサイズが明らかに合っていなかったり、
よっぽど特徴のある上着だったのでしょうかね。
以前にも書かせて頂いた有名な心理実験、
『見えないゴリラ』からも分かるように
人って自分にとって関心がある重要な情報に
意識を集中させてしまうと
目の前のことでも見逃してしまいがちです。
車の左折や右折時に反対方向から来ている車に
注意が行き過ぎて歩行者やバイクを見逃して
事故を起こしてしまったり、
ある一つのことに意識が向き過ぎて
仕事で有り得ないようなイージーミスをしてしまったり
また挨拶をした上司や先輩から
無視されたようなことがあったとしても
その上司や先輩が何か気になることがあって
それに意識が向けられていただけかもしれないので
あっ私は、嫌われているに違いないと
安易に決めつけて心苦しくなるのは
無意味であることが多かったりします。
私達は、
一面に広がる美しい黄色い菜の花や青い空を見る目で
世界を見ることも出来ますし、
菜の花の下の地面でうごめく多くの虫を
見る目で世界を見ることも出来るのです。