日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今シーズンは、チェックに注目?

2006-07-03 22:10:27 | トレンド
今日、書店に行って驚いた。
2つの月刊女性ファッション誌の表紙に使われている、衣装が同じなのだ。
それも、読者ターゲットの年齢や生活志向などがまったく違う雑誌に、同じ衣装が使われている。

1誌は、光文社から発売されている「ストーリー」
主婦のカリスマモデル黒田知永子さんが、毎号表紙を飾る30代後半~40代前半のややハイソ系を目指す、「お受験勝ち組み専業主婦」が読む雑誌といわれている。
当然、全体のトーンは「子育ても一段落。自分のためにこれまでのお稽古事を生かして、キャリア探し」みたいな感じだ。
ファッションも、キレイ目系のコンサバタイプ。
決して、異性を挑発するようなことはしない。
何よりも、同性である女性の視線が大切だし、同性を敵にしないというのが、信条だからだ。

ところが、同じ衣装を表紙に使っている雑誌は「NIKITA」だ。
読者ターゲットは20代後半~30代の、キャリアや家庭よりも「恋愛第一主義」。
「コムスメ」にはない、セクシー路線を突き進むのが信条。
こちらは、オンナの友情よりも恋愛優先。

なんとも、対照的な2誌なのである。
その2誌が、同じ衣装を表紙として扱っていることに、注目すると「チェックが今年のトレンド」ということになるように思えるのだ。
事実、先月末に発売された「VOUGE Nippon」でも、チェックをトレンドとして扱っている。
特に、メリハリの効いたチェックに注目ということだ。
表紙を飾っている衣装も赤と黒のチェックである。

もう一つ、まったく違う読者ターゲットを持っている雑誌2誌を観ることで、コーディネートや着崩し方などそれぞれ参考になるところがある。
マーケティングの仕事を始めた頃、あるファッション関係の方からいわれてことがある。
それは「雑誌を食べる」ということ。
「ヴィジュアルから何か感じて、それを自分なりの表現へと変えていくこと」ということだ。
大切なことは、ファッションやトレンドに振り回されるのではなく、それらのエッセンスを自分なりに消化して、表現することだ。
言われるまま、雑誌などの情報などを鵜呑みにしたスタイルは、「ファッション・ヴィクティム(=ファッションの犠牲者)」という。