日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

タイミングが悪いレクサスのテコ入れ

2006-07-24 21:45:56 | マーケティング
今日の朝日新聞のWEBサイトasahi.comに、レクサス、テコ入れと言う記事があった。
トヨタは、リコール問題や2ヶ月ほど前に起きたアメリカでのセクシャル・ハラスメント訴訟など、売上とは別に様々な問題を抱えている。
今日発売の経済誌「東洋経済」などでも、特集が組まれている。

セクシャル・ハラスメント訴訟などは、もしかしたら日本では起きなかったかも知れない・・・と思っている。
と言うのも、私も会社員時代「どうして結婚しないの?」程度のことは、日常茶飯事に言われた。お酒の席ではもっと・・・なことも言われたことがある。
ただ日本のOLは、ニッコリ笑って皮肉の一つ二つを臨機応変に使って、その場を丸くおさめてきたのだ。
アメリカの企業では、そうはいかなかったと言うことだろう。
おそらく、訴えられたアメリカトヨタ社長は、日本ではこんなことで騒ぎにならなかったのに・・・と思っていたに違いない。

それとは違うのが、リコール問題だろう。
東洋経済などの特集見出しを見る限り、日産やホンダに比べリコール件数や事故率などが高いようだ。
「世界のトヨタ」という、エクセレントカンパニーが何故?という気がしてならないのだが、今年になって一気にこのような問題が浮上してきたのだろうか?

そこへ、昨年トヨタが新しい顧客層獲得のために投入した、「レクサス」のテコ入れ。
どこと無く、トヨタの焦りが感じられるのだ。
実際、レクサスの店舗に行くとオープン当時は、平日でも幾人かの来店者がいた。
店内には、レクサス購入者を対象に銀製の写真立てやペントレー、果てはカフリンクスといったメンズアクセサリーまであった。
それは「レクサス」というクルマを販売するのではなく、「レクサス的生活」を販売しているかのようだった。
それが、今では来店者の姿を殆ど見ることが無くなった(ような気がする)。

レクサスの販売不振が囁かれるようになったのは、半年ほど経過した今年の初め。
本来レクサスが取り込もうとしていた生活者層は、ドイツのベンツやBMWなどの高級車購入へと動いたが、肝心なレクサス購入には結びつかなかったのだ。
そのテコ入れと言うことのようなのだが、今一度商品ポジショニングを考える必要があるのではないだろうか?
少なくとも「レクサス的生活」を、生活者が求めてはいないと思うのだが・・・。
そのくらい、トヨタと言う企業は、理解しているとは思うが。