日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ルイ・ヴィトンと気仙沼産牡蠣

2014-06-09 18:08:49 | ビジネス

東日本大震災から3年。
震災への感心などが薄れ始めているように感じるこの頃だが、世界に名だたる「ラグジュアリーブランド」が今でも支援を続けている。
その企業とは「LVMH社=モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社」。
シャンパンの「モエ・エ・ド・シャンドン」や高級ウィスキー「ヘネシー」などの高級酒類だけではなく、ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」を中心に様々なファッションブランドを傘下に置く、知らない人はいないであろう「ラグジュアリーブランド」企業だ。

その「ルイ・ヴィトン」が、震災で大きな被害に遭った岩手県気仙沼市の牡蠣養殖の支援を続けている、と言うコトは余り知られていないかも知れない。
ご存じの通り、「ルイ・ヴィトン」は、世界の「ラクジュアリーブランド」としてその地位を確立しているが、元々は貴族婦人の衣装ケースを作る小さな工房だった。当時の衣装ケースは木製で作られていたため、今でも「ルイ・ヴィトン」は森林維持の活動をしている。
その「森の維持活動」の延長という訳ではないのだが、気仙沼の牡蠣養殖の活動が「森の育成」に着目し活動をしているコト。フランスの牡蠣が一時期壊滅的被害を負ったとき、気仙沼の牡蠣養殖者が支援を申し出、現在のフランスの牡蠣の多くは気仙沼の牡蠣を母体としている、と言う関係があり、「ルイ・ヴィトン社」が支援を始めたようだ。
LVMH社:日本におけるLVMHグループの震災復興支援活動

注目すべきは、支援をするにあたって現地調査をルイ・ヴィトンの経営トップ陣が行っていることだ。
特に、当主であるパトリック・ルイ・ヴィトン氏は、自ら養殖されている牡蠣をナイフで開けて食べ、その美味しさに支援の継続を決めたと言う。
日本の場合、この様な震災復興の支援を行う場合、企業のトップが現地を視察し支援を決める、と言うコトを聞いたことがない。
いや、震災直後はあったかも知れないが、3年という時間を経過した現在、現地を視察し支援の状況を確認していると言うコトをほとんど聞くことがない。
もちろん、気仙沼の牡蠣養殖だけではなく、相馬市では子どもへの支援として「アート・メゾン」の建設と運営協力なども行っている。、

支援を続ける、と言う意味では「義捐金を提供し続ける」ということは、とても大事だと思う。
しかしそれよりも大切なコトは「支援の状況を確認するコトで、被災地のコトを忘れてはいない」ということを示すことではないだろか。
ルイ・ヴィトンのような海外の「ラグジュアリーブランド」の力強さというのは、もしかしたらこの様な企業トップの行動力や姿勢なのかも知れない。

その様な活動を、HPサイト内で発表し続けることを継続的に行ってはいるが、その様な活動をメディアが大々的に取り上げることもなく、粛々と行っていると言う点も企業の社会的取り組みの意味の本質のようなものを感じさせる。

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