今月、SoftBankが人型ロボットの発売を発表した。
人型ロボットと言っても、HONDAの「アシモ」のように、足で歩く訳ではない。
歩くコトはしないが「人の気持ち」を理解し、それに応える様にしていきたい、と言う思いがSoftBankにはある様だ。
このニュースを聞いた時、その1ヶ月ほど前に雑誌か新聞に掲載されていた「ロボット市場」についての記事を思い出したのだった。
その記事によると、現在の「ロボット」というのは、様々なかたちがあり決して「人型ロボット」が、主流ではないこと。
もう一つは、SoftBankの孫さんがその開発に熱心で、最新(?)のロボット開発をしている企業にSoftBankではない違う企業に投資をしている、と言う内容だったと思う。
その様な記事の後だっただけに、SoftBankの人型ロボットの発表は何となく判ったような気がした。
そして、先日NHKで政府の新しい成長戦略の素案に「ロボット産業振興」というニュースがあった。
NHKWEBニュース:新成長戦略素案にロボット産業振興
SoftBankの人型ロボットは、この様な政府戦略を見据えたモノだったのか?と思われた方も多かったのではないだろうか?
ところで、安倍さんの成長戦略の一つとして「女性と外国人の労働の活用」ということを盛んに言い始めた。
「女性の活用」はともかく、外国人労働者の活用というのは、おそらく人材不足が言われ始めている建築や介護などの分野での活用ということだろう。
建築などの現場では、既に外国人労働者の姿を普通に見かける様になった。
そう考えると、既に「外国人労働者の活用」というのは、進んでいるのかも知れない。
ただ、日本人特有の感覚なのだろうか?外国人労働者に任せられる部分と任せにくいと考える部分がある様に思う。
その「任せにくい部分」などについて、ロボットに任せると言う考えが新成長戦略の背景にあるのではないだろうか。
例えば、介護の現場。
最近問題になっている「認知症高齢者の行方不明者」などの対応などは、大きな社会的問題になりつつある。
先日も、認知症の老人が線路内に侵入し、事故が発生。その損害賠償の裁判では「家族の見守り」と介護の限界がクローズアップされた。
24時間、認知症老人にくっついて見守る、と言うことは人間ではできない。
その様な人にできないことをロボットでカバーしよう、と言うことだ。
この様な場合、別に人型ロボットである必要はない。
「自走式掃除機」 などは、立派な「ロボット」に一つだろう。
何より産業用ロボットの開発・研究は日本がトップランナー。
ITと組み合わせることで、その活用範囲を拡げ「人ではできないことをロボットに」ということを目指しているようだ。
そう考えると、「ロボット」という新しい労働力を創り出そうとしているのかもしれない。