先日「ビッグデータ活用の為に、本人の承諾無しで個人情報を活用できる様にする」という政府案についてエントリをした。
そもそも「ビッグデータに個人情報が必要なのだろうか?」というトコロから、疑ってみるとあくまでも個人的な意見だが「個人情報の活用は余り意味が無い」という気がしている。
むしろ、様々な業種がPOSシステムデータなどによって集められたデータを持ち寄り、活用していくコトのほうが利便性も高く、個人情報の漏洩、流失のリスクが減るのではないか?と、考えるのだ。
「POSシステムデータが無い」企業というのは、製造業が中心だと思うのだが、それでも販売店などを通して、自社の「売れ筋商品」やアンケートなどによる「ユーザーの声」などを吸い上げるコトは十分にできる。
しかし、それだけでは限られたデータということだけではなく、違う視点や発想が生まれにくい。
そこで必要になってくるのは、全く違う業種のデータだ。
例えば、女性向け通販を扱っている企業のデータを基に、自動車メーカーが「女性に使いやすいクルマ」の開発をする、とか、車いすなどの福祉製品を作っている企業と住宅メーカーが一緒になって「高齢者や障害者が暮らしやすい住環境」を研究する、といったコトだ。
その様な動きは以前からあったが、その様な企業が持っているデータを持ち寄り、新しい市場を共同で創っていく、と言う企業協力がこれから当たり前になってくるのではないだろうか。
既に企業が持っている、加工された(=分析が済んでいる)データを持ち寄るコトのほうが、遙かにスピードが速いだろうし、時には、異業種が一緒になって「街中リサーチ」を行い、それぞれに違った視点を話合うコトで、社内だけでは気づかなかった「コト・モノ」が見つかるはずだ。
そしてこの様なデータの活用は、むしろ地方の中小企業のほうがやりやすいかも知れない。
何故なら、企業そのものが小さいために「現状を打開したい」と考えている事業者が多いからだ。
むしろその様な「異業種間での、データの共有化」などに、力を入れる方が上述した通りメリットが高いと思うのだ。
「個人情報の活用」と言われると、抵抗感を持つ生活者は多いはずだ。
そんな生活者の気持ちや感覚を、理解せずに「活用」ばかりを言う企業は、生活者から「NO」を突きつけられる可能性もあるのでは?
そこまで考える企業からすれば、政府案の「個人情報の活用」などは、いくら「本人が特定できない様に加工してある」からと言っても、使いコトに抵抗感があると思う。
本当に「ビッグデータを活用する」というのであれば、業種の壁を越えて自社データ・他社データを活用するほうが、現実的のように思うのだ。