日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

Amazonと顧客情報

2014-07-10 18:34:51 | ビジネス

先日、子育て中のママさんと話をする機会があった。
なんでも彼女は、Amazonのヘビーユーザーだという。
Amazonだけでは無くLOHACOなども、よく利用するという。

その理由を聞いて納得した。
オムツなど大量に消費をし、かさが張る子育て用品はネットを利用しているのだ。
確かに、最近近所のドラッグストアでオムツを大量買いするママさんの姿を見かけなくなった。
大量買いができる人は、クルマで買い物に来られる人くらいだろう。
まして、お子さんが小さい時はなかなか買い物に行くコトもできず、かといってオムツは日々消費していくもの。
小さなお子さんが2人いると、1ヶ月で輸送用の梱包1箱分くらいは使ってしまう、と言う。

この話を聞いて思い出したコトがあった。
それは、私と同世代が子育て真っ最中だった頃。
当時は当然だがネット通販などもなく、若いママさんたちはそれこそ紙オムツを両手に抱えて買い物をしていた時代だ。
実はそんな子育てママさんたちの強い味方(?)が、生協だった。
ご存じの様に、生協そのものはスーパーよりも価格が割高なのだが「安心・安全」な食品を提供している。
若いママさんたちにとって「安心・安全な食品」は確かに魅力的なのだが、それ以上に魅力的だと感じていたのは「宅配」というサービスだった。

「買い物にいけない(行く時間が無い)」というのは、家事を担当する人にとっては大きな問題だ。
それをサポートしていたのが、当時は生協だったのだ。
もちろん、今でも生協を利用されている方の中には子育て中のママさんたちがいるはずだ。

生協の組合員になったりする手続きがよく分からない、と言う若いママさんたちにとって、スマホの画面でパッと購入できるAmazonは、とても便利なのだと思う。
Amazon側にとっても、この様なユーザーはとても魅力的だろう。
子育て期間中なら、Amazonで扱っている該当商品の提案ができる。
それだけでは無く、子どもの成長に合わせて購入される商品が変わってくるので、顧客データさえしっかり管理出来ていれば、様々なイベントでの購入おすすめメールが発信できるからだ。
一つの商品購入からのビジネスチャンスは、私の様に本を購入するくらいの顧客よりもズッとAmazonにとっては、魅力的顧客だろう。

今朝の新聞各社の一面を賑わした(?)ベネッセなども、Amazon以上の「顧客ライフステージ情報」を持っている。
ベネッセは「通信教育」という切り口で、生まれた時から大学受験までではなく、ペット雑誌「いぬのきもち・ねこのきもち」という雑誌を通して、様々な年代の情報を得ていたことを考えると、今回の顧客情報の流出というのは、それこそ名簿会社にとって「垂涎の情報」だっただろう。
そして、Amazonの顧客情報もまた同様の価値があるのでは?と考えると、Amazonの顧客情報管理システムがとても気になるのだった。