日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

免許取得費用負担キャンペーン?って

2014-07-22 19:43:04 | ビジネス

最近FMを聞いていて、気になることがある。
番組の内容では無い。
番組の間に流れるCMだ。
実は「免許取得費用負担キャぺーン」というCMが流れるのだ。
CMの主は、ハーレーダビットソン。
ハーレーダビットソンHP:PASSPORT TO FREEDOM

このCMを聞いた時「随分太っ腹な企画だな~」と思ったのだが、反面、ハーレーダビットソンの様な大型二輪に乗る人達は減ってきているのかな?と言う気がしたのだった。

自動車工業会が出している「2013年度二輪車市場動向 報告書」をみると、原付免許取得者は年々減る傾向にあるが、大型二輪免許を取得する人というのは、ここ15年大きな変化はない。(報告書12頁)
日本自動車工業会:2013年度 二輪車市場動向報告書 (注意;pdfファイル)

と言うことは、ある一定の大型二輪のユーザーはいて、大きな市場変化を起こしているとは思えない。
にも関わらず、ハーレーダビットソンがこの様な「免許取得」を費用面でサポートするキャンペーンを展開する、と言うのは何かしら他の理由があるのでは?

その一つの回答となるのが、現ユーザーの世代別のデータだ。(報告書14頁)
男女比だけをみると、当然というか男性のほうが多い。
その男性の中でも、50代以上が大型二輪を保有している人が多く、20代となると17%程度にまでになってしまう。
言い換えれば、大型二輪のユーザーは50代以上の男性で、年齢が若くなるに従い減っている、と言うことになる。
もちろん、大型二輪の価格的なことを考えれば、20代で気軽に購入するコトは難しいだろう。
それだけでは無く、今の20代は二輪(バイクやスクーター)だけでは無く、自動車免許の取得者も減っていると言われている。
そう考えると、新規の大型二輪の免許を取得しようとしている人達は、40代以上で経済的にも余裕ができはじめた人達が中心、とも考えられる。

しかし、それでは市場の大きな拡大は難しい。
と言うことは、やはりハーレーダビットソン側としては、20代の若者に免許を取得して貰い、ハーレーに乗って欲しい、ということだろう。
これまでCMで訴える内容の多くは、「そのモノ・コトがある豊か(楽しい)ライフスタイルの提案」が多かった。
それに対して、このハーレーダビットソンのキャンペーンは直接的だ。

「わかりきったこと」と言ってしまえばそれまでだが、逆にこのハーレーダビットソンのキャンペーンは、今の二輪車だけでは無く四輪車(=クルマ)についても、同じだという気がする。
ただ、それだけの危機感を自動車メーカー側が持っていない、と言うことだと思う。