日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地産地消をすすめるには、子どもを味方に?!

2014-07-02 22:40:33 | ビジネス

先日、朝日新聞のWEBサイトに「白バラ牛乳が飲みたくて・・・」と言う記事が、掲載されていた。
朝日新聞:白バラ牛乳が飲みたくて 鳥取県、給食の入札拒否を決意

「白バラ牛乳」というのは、鳥取県の大山乳業という会社のブランド名。
鳥取に実家のある私も、帰省した時に飲む牛乳というのは「白バラ牛乳」が定番となっている。
記事にある様に、実家で「白バラ牛乳」を飲んで名古屋に戻ってから飲む大手の牛乳とでは、味が違う様に感じるのだが、「不味い」と思ったコトはない。

それが、毎日の様に同じ牛乳を飲んでいる子ども達にとっては、随分味が違う様に感じたようだ。
「牛乳が薄い」という声が、子ども達から上がった、と言うことは、子ども達にとって「牛乳の味」の基準は「白バラ牛乳」なのだ。
基準よりも「薄かったり(別に水で薄めている訳ではない)、コクが感じられない」と、人は「不味い訳ではないが、自分の好みでは無い」ということになる傾向がある。
世間でよく言われる「おふくろの味」というのは、これまで慣れ親しんできた味と食の思い出が一緒になって「一つの味」を作り出している。
マザコンの男性でなくても、「おふくろの味」というのは自分の味覚を作ってきた大きな要素であり、影響されているトコロがあるはずだ。

そう考えると、昨今「地域活性化」でよく言われる「地産地消」を推し勧めるのであれば、学校給食で「特別な日」の地産地消では無く、日頃から地産地消を進めることのほうが大切、と言うことになる。
時折新聞などで紹介される「地産地消」は、地元の漁協や農協などが特別に提供したメニューが多い。
大人がうらやむ様なメニューに、舌鼓を打ち美味しそうに食べる子ども達の姿に「自分の頃には無かった。羨ましいな~」と思う。
この様な「メニュー」はいわば「ハレの日のメニュー」であって、子ども達にとっては「良い思い出」とはなっても、「味の記憶」という点では、どうなのだろう?
むしろ、今回取り上げられた牛乳の様に、毎日当たり前に食べている・飲んでいると言う中で育まれる「地元の味」の影響のほうが、大きい様な気がする。
とすれば、学校給食などを通して出荷するには難あり野菜などを存分に使った給食が、子ども達にとって一番安心できる味であり、費用面から考えてもメリットが高い様に思う。