日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

若者達と一次産業-「むら」を変える-

2014-07-27 20:24:37 | ライフスタイル

先日ラジオと聴いていたら「東京チェエンソーズ」という東京の最西端の秩父地区で、林業をしている会社の話があった。
東京チェエンソーズオフィシャルサイト
この会社、実は平均年齢が30代という若い人達が創った会社で、元の職業も外資系コンサルティング会社やIT関連の企業に勤めていた、と言う林業とは全く関係の無い仕事に就いていた人達が集まっているようだ。

林業ビギナーズの集団なので最初は、地元の林業組合に入り、林業の「いろは」を学んだと言う。
おそらくこれまでの「林業」は、林業組合に入り林業の仕事をする、と言うトコロで終わっていたと思うのだが、門外漢である彼らは、それまでの林業組合とは違う発想で、自分達の林業会社を立ち上げている。
もちろん、今の林業を取り巻く経済的環境の厳しさゆえに、助成金を頼っての事業という部分もあるのだが、それまでのビジネス経験を十分に活かした、林業への取り組みをしている。
例えば、「林業を多くの人に知ってもらい、身近に感じてもらう」為に、夏休み期間中、子どもを対象にした「ツリークライミング」、「プチ林業体験」や「木工教室」、SNSを使って自分達の活動を積極的に発信している。

この様な若い世代の一次産業への関心というのは、東日本大震災以降高まっている様に感じている。
「狩猟女子」として話題となっている、畠山千春さんもその一人。
HUFF POST:狩猟女子・畠山千春さんに聞く、いのちの食べかた「丸ごと大切にいただきます」
畠山さんの場合、シェアハウスの経営をしながらの狩猟生活なので、それまでの「猟師」とは違うかも知れない。
だが、20代の若い女性が猟師という仕事を選ぶ、と言うことに今までとは違う「生活価値感」を感じる。
他にも、漁業組合では無く自分達でグループを立ち上げた20代・30代の漁師達もいる。
ヒューマンケアプロジェクト:山田の海賊「第八海運丸」

そんな彼らに共通していることが、以前の様な「組合」に属するのでは無いと言う点だ。
スタート当初は、組合を頼っていてもその後は自分達で起業している。
その大きな理由が、組合では自分達の思うような活動ができない、と言うことがある様だ。
それを象徴するのが、「クルマや家電はメーカーが値段を付けるのに、(第一産業である)漁業は、自分達で値段を付けられない」という趣旨の「第八海運丸」のリーダーの言葉だろう(7月23日分)。

第一次産業の「村社会」を一度取り壊して「新しいむらを創ろう」という若い世代の動きは広まっていく様な気がする。
それも、いわゆる企業のエグゼクティブを目指していた若者ややチョット「悪ガキ」だった若者だ。
その様な若者を受け入れることができるか否かが、地方の再生となるカギの様な気がする。