既に新聞などで報道されているので、ご存じの方も多いと思う。
予備校の「代々木ゼミナール」が現在27校のうち20校を閉鎖する、と発表している。
新聞などの報道をそのまま読めば「少子化に伴う、生徒数の減少」ということが大きな原因、と言うことになる。
また、一部報道によれば「東大合格者数が、他の予備校に比べ圧倒的に少ない」ということも、一因だと言われている。
もちろん、これらの理由で閉校するというのはわかるのだが、20校という数の多さに驚かれた方も多いのでは無いだろうか?
ところで「予備校=大学受験」という視点で見れば、生徒数の減少は大きな問題だと思う。
しかし「勉強を教える」という視点に変われば、チョット違ってくるのでは無いだろうか?
例えば、以前ほどではないとは言うが今でも世間は「お受験」や「中学受験」に熱心な親御さんたちは多い。
ここ名古屋でも、南山大学が附属小学校を新設や進学塾が小学校を新設したことで、チョットした「お受験ブーム」(?)が起きているようだ。
「お受験向け教室」のチラシが、週末入ってくる。
その教室の授業料の高さに驚くばかりなのだが、「お受験」を考えている親御さんにとっては、さほど高いとは思わないのだろう。
他にも、幼児期からの語学教室や理科教室など、「塾」そのものが特化し始めているらしく、その様な広告を最近目にすることが多くなってきた。
と言うことは、「受験生≠高校生や浪人生」と言うのが今の社会なのだと思う。
他に考えられるのは、「受験生は都市部にいるとは限らない」という点だ。
確かに、日本全体が「少子化傾向」にあるが、都市部に比べると地方はまだまだ進み方がゆるやかだ。
何より、地方に行けばいくほど「予備校」が少ない、と言う現実がある。
その様な地方で、都市部と同じ様な授業を衛星通信で行っているのが「東進ゼミナール」だ。
だからと言って、今更「代ゼミ」が「東進ゼミナール」のような、衛星通信などで授業を行っても意味が無い。
むしろ、「代ゼミ」がこれまで培ってきたKnow-howを活かして、地方に「海外大学進学向け予備校」などの展開、と言うほうが現実的な気がする。
と言うのも、海外の大学で求められる学生と日本の大学で求められる学生とでは、大きく違うからだ。
「受験テクニック」が求められるのが「日本の大学」、「学力+自主性や明確な進学目的、意欲」が求められるのが、海外特に米国の大学だと言われている。
社会が「グローバル化」していく中、日本の大学だけが「進学先」ではない。
そう考えると、「海外の大学に進学する為の予備校(クラス)」が、今の予備校に用意されているのだろうか。
それだけでは無く、「予備校=学びの場」と考えれば、社会人向けの「Back to Campusクラス」のような、「社会人のための大学・大学院受験クラス」があっても良いのではないだろうか?
「代ゼミ」のリストラは、確かに「時代の変化」によるところが大きいと思う。
しかし、視点を変えるコトで違う展開もあるのでは?と思うのだ。