日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

視点を変えると違って見える

2014-11-04 19:12:54 | マーケティング

Yahoo!のトピックスに「利用者目線、変わる駅 スマホ充電器、祈祷室」という、神戸新聞の記事を取り上げていた。
神戸新聞NEXT:利用者目線、変わる駅 スマホ充電器、祈祷室

名古屋の場合、私鉄そのものが「名鉄」か「近鉄」しか無いため、関西のような熾烈な私鉄利用者獲得競争のようなものは無いと思う。
ただ、この記事を読んで「!!」と感じたコトがある。
それは「祈祷室」と言う発想だ。

記事を読んでわかる通り「祈祷室」というのは、イスラム教徒のために設けた施設だ。
最近「イスラム」というと、「イスラム国」ばかりが思い出され、「イスラム教徒=蛮行をする宗教」というイメージがつきまとってしまうようだが、あのような過激で自己都合ばかりを主張する「イスラム教徒」というのは、ごく一部だと思う。
多くの「イスラム教徒」は、他のキリスト教徒などと同じ様に極々普通の思考を持っているのでは?と、考えている。
何より、「イスラム教徒」そのものは、とても広い地域に住んでいると言うことがわかる。
アジアでも、インドネシアやパキスタンなどは、「イスラム教徒」の国だと言われている。
イスラム教徒が世界で16億人いる、と言う説があることを考えれば、その信者の多さだけではなく、宗教が与える世界的な影響力ということもわかるのではないだろうか?

そう考えると「国」という単位では無く、「宗教」という視点で人の生活を見てみると、随分違って見えてくるはずだ。
例えば、「イスラム教」で禁じられている食べ物がいくつかある。
厳密に言えば、「ハラール食と呼ばれる食べ物しか、口にしてはいけない」と言う宗教的制約がある。
日本ハラール教会:「ハラール」とは
どうやら「豚を食べてはいけない」という程度のコトでは無さそうだが、よくよく読むと日本の精進料理に近いものを感じる。
今や世界で注目されている「和食」だが、「イスラム教」が中心の国ではなかなか受け入れられそうな感じが無かった。
しかし、「精進料理」となれば、「イスラム教徒」の人達でも十分堪能できるように思う。

同じ様に、「言語圏」と言う視点で見ていくと、実はアフリカ諸国のいくつかが「フランス語圏」だというコトがわかる。
言語はその地域の生活の中心なので、「フランス語圏」という視点でアフリカ諸国を見てみると、欧州の生活様式に影響されている部分があるのでは?と考えるコトができるし、逆にフランスにアフリカ系の人達が多くいるコトに違和感を感じなくなる。

「グローバル化」という言葉は、随分前から盛んに言われてきている言葉だが、使われ方としては「国」という単位で見ている場合が多い。
その「国」というフレームを外して、宗教や言語などの視点で見ると、「国」そのものが違って見えてくるはずだ。
そして今必要な「グローバルな視点」というのは、この様な「国」では無い他の物差し(と言うべきか?)での「見方」という気がする。