日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

キャッチフレーズにみる「選挙戦」

2014-11-25 18:54:07 | 徒然

衆議院が解散した直後の週末、近所へ買い物や散歩に出掛けると、既に選挙カーが走っていた。
当然のコトながら、大音量で「○○をよろしく」という連呼型街。
中には「平成の桃太郎」なるキャッチフレーズの、立候補予定者もいたようだ。
一体何処が「平成の桃太郎」なのかは判らなかったが、元気のある立候補予定者のようだ。
随分前「政界の牛若丸」と、呼ばれた方がいたコトを思い出した。

そう考えると、キャッチフレーズというのは案外大切なモノかも知れない。
「その人の人となり」を現すというコトもあるのだが、やはり印象に残る、という点でも大切だと思うからだ。
それが選挙となると、また変わってくる。
選挙に対して「何を一番重要に考えているのか?」というコトを現すからだ。
違う言い方をするなら「選挙公約を端的に現している」のが、キャッチフレーズというコトになると思う。

今回の「大義なき解散・選挙」のキャッチフレーズというか、キャッチコピーが各党出そろった様だ。
毎日新聞:衆院選:短期決戦・・・キャッチコピー 各党が知恵を絞る

改めて見ると、自民党は「アベノミクス」の継続?を考えているのだろう、経済を取り上げている。
穿った見方をするなら、「集団的自衛権の行使」や「特定秘密事項保護法案」、閣僚の相次ぐ不祥事(?)などよりも、経済をテーマに選挙戦を戦う、というコトのようだ。
同じ与党である公明党は、同じ経済をテーマにしているにしても「定率減税」を掲げている。
自民党の「アベノミクス」が、大企業向け中心(というか「経団連の意向を汲んだ」というべきか)政策だったことに対して「定率減税」となると、中低所得者向けの政策と考えた方が良さそうだ。
というコトは、与党内でも一枚岩ではない、と言う見方もできる。
元々公明党は「生活と安定」というコピーを掲げてきたことを考えれば、当然のコピーというコトになるかも知れない。

一方、野党となると民主党のように、具体性よりも「自民党圧勝阻止」という雰囲気のコピーという印象だ。
他の野党も基本的には、具体性よりも「改革」とか「変える」という言葉が多く、「この政党は、何がしたいのか?」というコトが判り難い。
その中で異彩を放つ(?)のが、生活の党かも知れない。
というのも、生活の党は結党以来、首尾一貫キャッチフレーズが変わっていないからだ。
「だから、何をどうするの?」という、疑問に答えているわけでは無いのだが、「とにかく国民生活を第一に考える」というコトだけは何となくわかるし、そもそも「国民生活」そのものもその時々で重要と考える事柄が変わってくる。
ある意味「万能型キャッチフレーズ」かも知れない。

もう一つその政党らしいな~と感じるのが、やはり共産党だろう。
安倍政権では、国民とのコンセンサスを図ることなく閣議決定をした「集団的自衛権行使」や「特定秘密事項保護法案」のような「力技政権」に対する、反発をよく現している。
決して、与党になることを目指すのではなく、時の与党の「ご意見番」という様な政治的ポジションを目指す、という姿勢を現している様に感じる。

キャッチフレーズだけを見ると、与党のほうが分かり易い分選挙民に訴えかけられる内容が、理解し易い。
これからの選挙戦で、どれだけ野党側が「何を・どうしたいのか?どのよな日本を創っていきたいのか?」という具体性のある、言葉での選挙戦になるのかが、選挙の勝敗を分けるかも知れない。