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「デザイン」の意味が変わりはじめた

2014-11-12 20:55:51 | トレンド

毎年今頃になると「グッドデザイン賞」の発表がある。
先日発表があり、今年の受賞者が決まった。
グッドデザイン賞 特別賞:2014年度グッドデザイン賞受賞概要

大賞を受賞したのが、デンソーで受賞作品が「医薬・医療用ロボット」というのも、今年らしいというか政府が力を入れている分野での受賞なので、何となくわかる様な気がする。
ただ、賞全体を見てみるとここ数年で「それって、デザイン?」と思う様な「コト」もデザインの大賞となってきている。
特に今年は、「月刊誌」や「NPO法人」、「災害ボランティア」などが、受賞している。

これまで「グッドデザイン賞」というと、「工業デザイン」や「建築」などが主な対象だった。
確かに、「工業デザイン」や「建築」というのは、「形」として分かり易く、好みや趣味の違いはあっても、納得がし易い物が対象だった。
それが「月刊誌」だとか「災害ボランティア」や「NPO法人」となると、その選考基準などが判り難く納得し難い。
例えば「災害ボランティア」と言ったとき、「ボランティア活動にグッドデザインってあるの?」という、疑問が起きるだろうし、「ボランティア活動」そのものの何を比べているのかわからない。
もちろん、受賞理由を読めば「なるほど!」と理解できるのだが、それでも「なんだかな~?」という感覚が残ってしまう(のは私だけだろうか)。

しかし、考え方を変えると「デザイン」の意味が、変わってきたのかも知れない、と思うのだ。
これまでの「人にとって使いやすい」などのような、「物のデザイン」だけではなく「人の気持ちを動かす仕組み」というコトが、「デザイン」に加わり始めているように感じる。
これまで、日本のデザインは伝統的な手仕事の繊細さや大胆さを背景に、「意匠」という視点で発展してきたように思う。
そこに「人の気持ちを動かす仕組み」という、これまでとは全く違う視点が組み込まれるコトで、「社会的デザイン」と言う新たな視点がこれまでとは違う「新しい価値観」を創っているかも知れない。
そしてその様な視点が生まれる場所というのは、案外地方のような気がする。