日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ネット広告の伸びとテレビ

2015-02-25 23:01:05 | ビジネス

昨日のいくつかの新聞で、「インターネット広告が、1兆円を超えた」という記事を掲載している。
中日新聞:国内広告費、ネットは初の1兆円達成

国内の広告費そのものが、大きなスポーツイベントなどがあった関係で、広告費そのものが伸びている。
その中で群を抜いて増えているのが、インターネット広告。
伸び率が12.1%というのは、インターネットそのものがまだ若いメディアということもあるとは思うのだが、それだけで12%近くの増加となるのは、社会全体が情報媒体としてインターネットを認めた、ということにもなる。
それだけではなく、インターネットそのものがとても身近なメディアになってきている、と読み取ることができる。

媒体別の広告費の推移というのは、その時々の「メディアの主役」をはかる物差しという部分があった。
今でも「信用性の高い媒体」と言われているのは、新聞だろう。確かに朝日新聞の「慰安婦問題」などで、その信用は随分落ちたとは思われるが、テレビにはニュースからバラエティーまで幅広い番組があるために、「信用性」という部分では、まだまだ新聞のほうが上だと思う。
しかし、広告費という視点で見ると、新聞よりもテレビのほうが圧倒的に強い。
その理由は、上述した「幅広さ」にある。
ニュースのような報道性と正確性が求められる番組だけでは、視聴者はついてこない。
バラエティーのような肩の凝らない番組があるこそ、視聴者はチャンネルを合わせるのだ。

インターネットの場合、広告そのものがテレビとは違う考え方で作られている。
今でもインターネット広告の主流は、テレビCMとの連動型(「この続きは、ネットで」と表示されるテレビCMのコトだ)だと思うのだが、インターネットでの広告というのは、広告費が潤沢な大企業だけが広告しているわけではない。
それが「楽天」や「Amazon」のショッピングサイトの広告だ。
Yahooのトップページに表示されるのは、潤沢な広告費がある大企業が中心なのだが、新聞社のWEBサイトやfacebookなどに表示される広告というのは、「楽天」や「Amazom」などのショッピングサイトの広告であったり、企業の通販サイトであったりする。
いわゆる「バナー」と呼ばれる広告だが、この「バナー広告」そのものは特別な工夫があるわけでも、経費をかけた広告でもないのに、思わずクリックをしてしまうことがある。

インターネットの広告は、そのようなビジュアルで引きつけるだけではない。
検索をしたとき、上位に掲載されるほとんどが何かしらの広告だ。
「そんなこと、わかりきっている」と思われるのだが、この「広告らしくない広告」もまた、テレビなどの今までのメディアでは打ち出すことができなかったタイプの広告だろう。
言い換えるなら「インターネット上の広告」というのは、広告なのか情報なのかボーダーな広告だともいえる。
インターネットというツールそのものが、発信される情報が新聞やテレビ、雑誌などのように限られたところだけではない、という性格が、このような「ボーダーな広告」になるのかもしれない。
ということは、逆にこれまでのような広告の考え方とは違う発想の広告表現が必要になってくるかもしれない。