日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女性と男性の意識の差は、どこにある

2015-02-23 20:09:52 | アラカルト

今日の朝日新聞のWEBサイトに「女は家」意識、立候補の足かせ 政治の場に残る壁、というタイトルの記事が掲載されていた。
朝日新聞: 「女は家」意識、立候補の足かせ 政治の場に残る壁

この記事とは別に、「夫婦別姓」についての最高裁の判断が出る前に、公明党の幹事長が「夫婦別姓導入、判決前に法改正をすべき」という見解を示している。
読売新聞:公明幹事長「夫婦別姓導入 判決前に法改正を」

一見関係のなさそうな二つの記事だが、実は「女性が働く」という視点では、どちらも共通している点がある。
それは「女性が働き続ける」ための社会の意識、という点だ。
そして、おもしろいことに「夫婦別姓」についての意識が、女性と男性とでは随分違う、違うというよりも真逆である、ということを今朝のFM番組で知った。
街頭インタビューでの内容だったのだが、「夫婦別姓で家庭はどうなると思いますか」という趣旨の質問に対して、男性は「夫婦別姓になると、家庭が崩壊する(崩壊しないまでも、「家庭」という体をなさない)」という意見が圧倒的に多かったのだ。
それに対して、女性は「人との信頼関係の上で成り立つので、別姓であっても関係ない。利害関係がない関係だからこそ、別姓云々ではない、信頼関係を互いに作りあげていくことが大切」という意見が多かった。

結婚をすると、苗字が変わるのは圧倒的に女性が多い。
それによって、働く女性は様々な不利益を感じる場面が多くなる。
仕事は旧姓のままで公的な書類は結婚後の苗字で、というケースが出てくる。というのも、営業職の女性などは旧姓で仕事をしたほうがメリットが高い。

また、個人としてのアイデンティティが失われるような気がする女性も少なくない。
というのも、少子化に伴い「一人っ子同士の結婚」が、当たり前になりつつあるからだ。
その意味では「家」という問題が、絡んでくる。
女性側からすれば、男性の姓を名乗ることで、自分の家が消滅してしまう(=自分のアイデンティティを失う)、ということなのだ。
昔の発想でいえば「お家断絶の危機」ということになると思う。
そのような事情を抱えている女性側からすれば、「男性は姓を変えずにいる」という現実に疑問や不満を持ってしまうのだと思う。
だからこそ「家庭は、利害関係がないからこそ信頼が重要。姓の問題ではない」と、いうことになるのだと思う。

一方、男性側からすれば「家に嫁に来たのだから、当然(自分の苗字に)変わるものだ」ということになるのかもしれない。
この「嫁に来た」というところから、「嫁は家を守り、親(女性側からすると義理親)の介護をするものだ」ということになるのかもしれない。
「女性が働く」ということは、このようなこれまでの社会通念を変える、ということであり、そのためには男性の意識も変わらなくてはならない。

ただこの「夫婦別姓」という問題が話題になるとき、なぜか「別姓か否か」という2者選択で論じられることが多い。
「別姓か否か」ではなく「夫婦で選択するために話し合う」という、一番大切な部分が見落とされているような気がする。
それは「女性が結婚後どう働くのか?」ということにも、関係する問題のような気がするのだ。
「女は家=家事も育児も介護も女性」そのうえで「働いてもいいよ」、というのでは、女性側の選択の余地はない。
まず、そこからが話のスタートだと思う。