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外国籍労働者を考える

2015-02-26 21:28:53 | ビジネス

中日新聞のWEBサイトに、「在留資格に介護新設へ」というタイトルの記事が、掲載されている。
中日新聞:在留資格に「介護」新設へ 外国籍労働者受け入れ促進
これまで外国籍労働者=低賃金で労働者が集まりにくい仕事に就かせる、ということが半ば当たり前のように「研修制度」という名の下行われてきた。
そして、過酷な労働条件から逃げ出すような外国籍の労働者も、少なくなかった。
時には、犯罪に手を染めるような労働者もいた。

「外国籍の労働者を雇用する」というのは、雇用をする側にとっても様々なリスクがあると思う。
だからと言って「使い捨て」のような働かせ方をしているのは、問題だろう。
もし彼らが母国に帰ったとき、「日本は、ひどい国だった。日本人ばかり優遇され、自分たちは研修という名のひどい扱いをされてきた」という話がされるよう出れば、日本にとても決して良いことではない。

ただ、昨今の国の「成長戦略」の一つとして掲げている「観光」や「医療」という視点で考えてみると、違う発想が出てくる。
たとえば、日本の病院で行っている「人間ドッグ」を受診するために、わざわざ来日する人がいる。
このような人たちにとって、日本の病院で過ごす「人間ドッグ」は、気持ちの良い(?)体験かもしれない。
そのような現場に、日本語以外が使える医療者がいれば、アジアの富裕層にとっては「魅力的」で「安心」があると思う。
治療を優先されるような「急性期病院」などでは、あまり関係のないことかもしれないが、「アジアの富裕層も受け入れる体制」として、アジア諸国の人たちを受け入れる、という考えはあるのではないだろうか?

その範囲を広げれば、観光地のインフォメーションセンターのようなところには、必ず日本語以外の言葉が話せるスタッフを常駐させることで、海外からの観光客はガイドブックなどに掲載されていない日本を楽しむことができるだろう。そのサポート体制という点では、都市部や有名観光地などはともかく、地方では整っていないのでは?
日本の「おもてなし」は素晴らしいモノがあると思うのだが、海外の人たちにその素晴らしい「おもてなし」を十分堪能してもらうためには、言葉のサポートが重要であり、その対象は英語圏や中国だけではないと思う。

「研修」という名目であれば、どうしても「安い賃金で働いてもらう」という発想になるのだと思う。
でも、海外から人を呼び寄せる人材と考えれば、これまでとは違い日本人と一緒に働く仲間ということになると思う。
「技術研修」であっても、日本の製品を購入した後の「現地アフターサービススタッフの育成」ということになれば、人材育成になると思う。

「成長戦略」とか「グローバル化」というのであれば、海外に進出するだけではなく、海外から人を呼び寄せるという「双方向」のグローバル化が重要だ。
その人材としての、外国籍の労働者という考え方も必要になってきているのでは?と思うのだ。