日々是マーケティング

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契約は、公平なものではない・・・という事実

2019-04-17 21:01:05 | ビジネス

朝日新聞などに、大手ネット通販会社が一方的に規約変更をしている、という記事が掲載されていた。
朝日新聞:「規約を一方的に変更された」楽天で9割、アマゾン7割 

「規約などは両者で話し合いの上、変更する」いう趣旨の文言が、契約書に記載されていると思うのだが、どうやらそうでもなさそうだ。
少なくとも大手ネット通販会社と取引先との関係は、ネット通販会社>取引先だったようで、その力関係があるからこそ「一方的に規約を変更させる」ことができたのだと思う。

注目すべき点は、楽天の9割という高い数字だ。
もちろん、アマゾンの7割という数字も決して見のがせるような数字ではないが、楽天の9割というのは群を抜いて多いということはもちろん、楽天の場合、「一方的な規約変更ありき」の契約だったのでは?と、疑いたくなってしまうような割合だ。

確かに日本ではECサイトのフロントランナーだったのは、楽天だった。
今でもアマゾンやヤフーショッピングには出店せずに、楽天のみという企業もある。
だからこそ、楽天側は強気で規約変更を、一方的にすることができたのかもしれない。

しかし一方的な規約の変更というのは、ビジネスの在り方としていかがなものだろう?
規約変更の中には、出店事業者に優位になる内容のものも、あったかもしれない。
ただこの記事を読む限り、楽天優位の規約変更であり、出店事業者側が泣き寝入りをしていたのでは?という、気がしてくるのだ。
そのような楽天への出店を止めれば良いだけ、ということになるとは思うのだが、長い間楽天に出店してきて、突然止めますとは言いづらいのではないだろうか?
「浪花節的」と言ってしまえば、それまでだが「それなりのお付き合いを(楽天とは)してきたので、断りづらかった」というのが、出店事業者側の気持ちがあったのでは?

ただこの大手ネット通販側の「一方的な規約変更」というのは、ネット通販だけに限ったコトではないようにも思うのだ。
よく言われる「大企業の下請けいじめ」と言われる内容も、根っこの部分は同じなのでは?という気がするのだ。
製造業などでよく言われることだが、利益を出すために部品1個の値段を、ギリギリまで下げさせる、という下請けや孫請けの利益などを考えない(?)大企業>下請け・孫請けという力関係によって成り立つ、取引構図だ。
それと同じような構図が、製造業だけではなく小売り業でも起こっていた、という見方もできる。

果たしてこのような取引構図というのは、日本の経済にプラスとなっているのだろうか?
一つわかることは、このような記事が出てしまったことで、楽天に対するイメージが悪くなった、ということだろう。
生活者にとって、欲しいものは出店事業者の商品であって、楽天で買うことではない。
同じ商品が違うサイトにあれば、楽天から購入する理由は無いからだ。