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スリランカのテロとオウム真理教事件

2019-04-25 20:49:45 | 徒然

先週末、スリランカで起きた連続爆破事件。
キリスト教の教会が中心に狙われた事件だったことから、早い時点でイスラム過激派の関与が、疑われていた。
そして、ISに感化された若者たちが中心となって起こした事件だったようだ。

ISの中心拠点だったシリアでは、殲滅作戦が功を奏しほぼいなくなったのでは?と言われていた。
と同時にシリアから逃げ出したISの戦闘員が、世界各地に散らばっただけでは?という指摘もされていたように思う。
そして今回の事件で、シリアからISの戦闘員が世界各地に散らばっただけではなく、新たにISの掲げる思想(というべきなのか?)に感化された若者たちが新たな活動を自国でもするようになった、という現実を見せつけたような気がする。

それだけではなく、このような過激派に心酔する若者の中には比較的裕福で高学歴の若者たちがいる、という事実に、かつて日本を震撼させた「地下鉄サリン事件」を引き起こしたオウム真理教の幹部たちを思い出すのだ。
BBC NEWS:高学歴で海外留学の経験者も スリランカ爆破、実行犯の素顔
ご存じの方も多いと思うのだが、教祖である麻原彰晃に心酔し、事件を引き起こした若者の多くはいわゆる一流大学で理工系を専攻し、「論理的思考」の持ち主でもあった。
にもかかわらず、傍から見れば荒唐無稽の絵空事のような話を信用し、最終的には「地下鉄サリン事件」を引き起こしてしまったのだ。
逮捕後、彼らの口から「なぜ、荒唐無稽のような話を信用し、麻原彰晃という人物に心酔してしまったのか?」ということは、ほとんど聞くことができなかったように思う。
ただ、今回スリランカで連続爆破事件を起こした犯人だけではなく、ここ20年くらいの間でテロ事件を起こした中心的人物の多くが、「地下鉄サリン事件」を起こしたオウム真理教の幹部たちと重なって見えるのだ。

社会的にも経済的にも「安泰」が約束されているような若者たちが、何故ISやオウム真理教のような反社会的思想に心酔してしまうのか?
もしかしたら「安泰が約束されている」からこそ、このような反社会的思想に心酔してしまうのではないだろうか?
「安泰が約束されている」ということは、社会にある理不尽なことや格差など「社会の嫌な部分」を見ることなどほとんどなく、自分が置かれている立場が安全で将来が保証されているとは思っていないし、考えたこともないのでは?
そんな「世間の狭い」中で、荒唐無稽であっても過激な劇薬のような考えに触れることで、ある種の「理想」のようなものを感じてしまうのだろうか?

事実ISに参加した欧州の若者たちの中には、「ISの思想はイスラムの教えの中でも純粋さがある」という話をした若者もいた(ような記憶がある)ことを考えると、彼らの純粋さ=イノセントは「無知」という意味のように思えるのだ。