昨日になって、再びオリンピック・パラリンピックの開・閉会式の演出担当者の一人がまた、解任された。
今度は、漫才コンビを組んでいた時代に「ホロコースト」を揶揄していたコトが、判明したためだ。
この問題を指摘したのは、日本ではなく米国のユダヤ人団体だったようだ。
明日、開会式が予定されているオリンピックだが、直前になってこれほどセレモニーイベント関係者が、バタバタと過去の問題で辞任・解任されるということは、異常だろう。
この異常さから見えてくるのは、オリンピック・パラリンピックの仕事だから「崇高な理念に基づかなくてはならない」というよりも、オファーを出したほうも受けたほうも「お友達」感覚で、「オリ・パラの開会式、閉会式の演出、ちょっと頼む」、「オリ・パラの演出、カッコいいじゃん。OK」程度の軽い感覚だったような気がするのだ。
ご存じのように、当初予定されていた狂言の野村萬斎さんを中心としたクリエイティブチームは、昨年時点で解散させられているので、今回の件はその後を継いだとされる広告代理店の方を中心とした、クリエイティブチームということになる。
この広告代理店の方というのは、ご存じの通りタレントの渡辺直美さんを揶揄した事が表面化し、批難された事で辞任をされた方でもある。
ということは、この時点で今回のような事が起きる事が、予測できたのでは?という、気もしている。
ただそのコトに対して、組織委会やJOCが興味がなく、広告代理店に丸投げていた、ということだろう。
今回のことで日本の社会の問題そのものが、露わになったのでは?という、気もしている。
小山田圭吾氏や絵本作家ののぶみ氏等は「いじめ」という犯罪。
今回解任させられた小林賢太郎氏は、「ホロコースト」という、近・現代史を学んでいれば、その問題をお笑いで取り上げるべき内容ではない、ということを知っているはずだが、「ウケ狙いで…」と答えていることから、日本の教育という問題もあったのでは?ということなのだ。
「ホロコースト」に関していうなら、「受験に関係ないから」という理由で、学ばない生徒も多いかもしれない。
そのため「ホロコースト」を揶揄したコントで、笑った人たちも沢山いたのでは、ないだろうか?
少なくとも海外の人たちは、笑うどころか怒りの対象となるようなテーマであるにもかかわらず、日本ではお笑いのネタとして使われても、違和感なく受け入れられてしまった、という点が、問題なのだと思う。
しかも「ウケ狙いで…」と答えているということは、1度や2度ではなかったのではないだろうか?
今回のオリンピック・パラリンピックの開会式・閉会式の演出関係に関していうなら、これまで日本の教育や社会が「見て見ぬふりをしてきたツケ」が、世界と向き合い露見した、ということなのかもしれない。