ファッション専門誌のWWDのWebサイトを見ていたら、「もはや異質の言語」という印象を受ける記事があった。
WWD:「流行った言葉」1位は”蛙化現象”「Z世代が選ぶ2023年上半期トレンドランキング」発表
拙ブログに来られる方で、このトップ10ランキングの言葉をどれだけご存じだったのだろう?
「何となくわかるけど」という流行語は、わずか2つほどしかなく、他の言葉は見たことも・聞いたこともない、という言葉だった。
確かに、Z世代と呼ばれる中高校生~社会人2年目くらいの人達と接する機会は皆無だ。
だから知らなくて当然、ということになるのかもしれないが、それにしても元々の言葉の原型をとどめている流行語そのものも少ない、と感じている。
1位になった「蛙化現象」等は、一体何を指す言葉なのか?想像すらできなかった。
記事の説明文を読んでも、ますます疑問符ばかりが付いてしまう。
確かに「言葉は生き物」と言われるくらい、時代と共に生まれ、流行する言葉が毎年のようにある。
Twitterが流行し始めた頃は「〇〇なう」という、「今〇〇をしている」という言葉が、SNS界隈以外でも使われていた。
しかし、「〇〇なう」という言葉そのものを、今でもSNS上で使っているのか?と聞かれれば、おそらく今となっては「死語」のような扱われ方だろう。
時代の変化やスピード化によって、様々なモノが「陳腐化」してしまう。
その「陳腐化速度」が、年々早まっている、というのが今という時代なのだと感じている。
そして「若者言葉」そのものが「仲間内だけで認識されるような言葉」ということを考えると、「蛙化現象」などの言葉や意味を理解する必要はない、ということになる。
むしろ「若者言葉」は、仲間内から世間へと使われる場所が移っていくと、若者言葉そのものが陳腐化した、と使っている若者たちは感じてしまい、新しい「仲間内語」をつくりだしていく。
そのような傾向は、今に始まったことではないので、経験値的によくご存じの方も多いのではないだろうか?
上述したように、「仲間内言語」そのものは、仲間内以外で使われるようになると、急速に使われなくなり陳腐化してしまう。
その関係性は、「トレンドをつくり出していくフロントランナーとフォロワー」の関係に近いのかもしれない。
とはいうものの、「若者言葉」が生まれた社会的背景やその世代の価値観のようなモノが、「若者言葉」に反映されているという点を忘れてはいけないだろう。
今回のトップ10の中には、いわゆる「赤ちゃん語」と思われる言葉がいくつかランクインをしている。
「赤ちゃん言葉を使うのは、何故だろうか?」という、疑問を感じ取る事が重要なのだ。
「赤ちゃん言葉」を使う理由として、私が感じたことは「甘えたい・可愛く見られたい・(他者に)頼りたい・大人になりたくない」のでは?と、感じた。
「だから、今の若者はしっかりしないのだ」というのではなく、Z世代はそれよりも上の世代よりも大きな不安を抱えているのでは?ともとれる。
Z世代の流行語は「異次言語」だと感じる部分が、多々あるがそれらの言葉にあるZ世代の社会に対する感じ方を、キャッチすることが重要だと感じる。